――第2弾の色を決める際も、あらためて扉絵や画集を見たのですか?

北垣内 見ました。第2弾ではカラーに注目し、キャラクターのイメージに合うような色を探しました。扉絵って、細かいところまで見ると原作とは違う世界観があって、いろいろ発見があるんです。「こんな格好もしていたんだな」とか。

――その作業は他のスタッフと一緒に?

北垣内 いや、ほとんど僕がやりました。

香川 僕もたまに手伝いました。気持ち程度でしたが(笑)。

デザイナー北垣内氏、「冬島・ドラム王国編は感動して泣きました」

――いままでのお話から察するに、北垣内さんはかなりの『ワンピース』ファンのようですね。

今回のインタビューでは、2人ともお気に入りのモデルを着用して撮影に臨んだ。香川氏(写真右)はサンジのモデル、北垣内氏(同左)はブルックのモデルが好みだそう

北垣内 もともと子供の頃から、「週刊少年ジャンプ」をずっと読んできていたんです。僕はいま31歳で、『ドラゴンボール』や『スラムダンク』などの作品がど真ん中の世代。その流れで、『ワンピース』の連載も読み始めました。絵にオリジナリティがあって完成度が高いし、もちろんストーリーも魅力。王道かもしれないけど、泣けるシーンもあって、話に深みがありますよね。

――北垣内さんにとっての、『ワンピース』の名シーンとは?

北垣内 チョッパーが"麦わらの一味"に加わる冬島・ドラム王国編。その最後で、冬島全体に桜のような雪が舞うのを見て、チョッパーが泣いてしまうシーンがあるんです。あれには感動して、僕も泣いてしまいました。そのエピソードが映画化(2008年公開の『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』)されたときも、もちろん見に行きましたよ。

――香川さんは『ワンピース』のどんな部分に魅力を感じていますか?

香川 僕はいま40歳ですが、『ワンピース』の連載が始まった頃には「週刊少年ジャンプ」から"卒業"していて、子供が話題にするのを聞いて知っている程度でした。忠実にストーリーを追うようになったのは、この企画が始まってからですね。でもいまは、それこそ食い入るように見ています。キャラクターそれぞれに人情があって、心の琴線に触れるものがありますし、ストーリー展開にも深さがありますよね。いくつも伏線が張られていて、小説にしてもいいような作品だと思いながら見ています。

――お2人の話からも、『ワンピース』を愛するスタッフが集まって制作されたことがうかがえます。ところで、コラボメガネ&サングラスの中で、一番のお気に入りはどのモデルですか?

北垣内 第1弾ではブルックのモデルが好きです。第2弾だとチョッパーの配色が気に入っているのと、ゾロのモデルは彼らしい色合いが出たと思います。

香川 第1弾の中でも気に入っているのは、僕がいまかけているサンジのモデル。このモデルはファンの反響も大きくて、ウェブ先行予約でもすぐ売り切れましたし、昨年10月の「ジャンプフェスタ」でJINSのブースを出した際も、たくさんのファンから「サンジのモデルはないの?」との声が上がるほどでした。第2弾でのお気に入りはルフィのモデル。第1弾のサンジもそうだけど、要するに僕は青系のフレームが好き、ということかもしれませんね。

――「ONE PIECE LIMITED BY JINS」はファンからの反響も大きかっただけに、今後も新たな展開があるのでは? と期待してしまいます。

香川 作品自体、ストーリー的にはまだ半分くらいしか進行していないと聞いていますし、我々としても、まだまだ『ワンピース』の世界観に浸っていたいですね。と同時に、今後もさまざまな要望をヒアリングしていきつつ、また新たな形で、ファンも我々も楽しめるようなアイテムを提供していきたいですね。

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4月1日の予約開始以来、ファンを中心に反響を呼んでいる「EVANGELION × JINS オリジナルメガネセット」。じつはこれも、北垣内氏のデザインによるものだ。JINSが話題の新作アイウエアを次々と発表し、躍進を続けてきたのも、香川氏や北垣内氏など多くの優秀なスタッフに支えられているからだろう。今度はどんな新作で我々を驚かせてくれるのか、ますます楽しみになってきた。