USBメモリから起動する際の注意点
一般的なコンピューターであれば、USBメモリ経由での起動をサポートしているため、通常であればそのままでよいが、うまく動作しない場合は「BOOT革命/USB Memory Ver.3」セットアップDVD-ROMをCD/DVDドライブにセットし、そこからコンピューターを起動することで、USBメモリからの起動が可能になる。
また、USBメモリからの起動をサポートするコードを書き込むツールも用意されているが、書き込み対象はHDDのMBRであるため、マルチブート環境を構築している場合や、サードパーティ製ブートローダーを用いている場合、上書きすることになってしまう。そのため、同ツールの使用は前述の起動方法を用いた方が確実だ(図22~23)。
図23 HDDのMBRに、USBメモリからの起動を優先する起動コードを書き込むツールも用意されている |
本製品を使用するに当たって重要なのが、USBメモリの品質状態である。今回のレビュー執筆にあたり、様々な検証を行ったが、手持ちのUSBメモリが破損しており、USBメモリ上のWindows XPが起動しないというケースに見舞われることがあった。
そもそもUSBメモリは記録領域にフラッシュメモリを用いているが、データ消去や書き込みを繰り返していくと、フラッシュメモリの劣化が発生するため、書き換え回数の制約がある。つまり、筆者のように普段から酷使しているUSBメモリを使用する場合、読み書きが多大に発生するWindows OSのロジックを踏まえるとエラー率が高まる可能性は拭いきれないのだ。
それでも、USBメモリに代表されるコンパクトなメディアにOSを入れて歩けるメリットは多大かつ有益であることは間違いない。何らかの理由で起動しなくなったコンピューターからデータを救出する場合や、客先のコンピューターで作業をしなければならない場合には強い味方になることは確実だ。
もちろんUSBメモリなどのリムーバブルメディアは容量的な問題が発生し、現在のメインストリームとなる32~64GBは数千円から一万円前後で購入できるため、気軽に普段のWindows OS環境を再現できるのは心強い。仮に大容量のストレージが必要な場合は、同様のロジックでHDD-USBにWindows OS環境をコピーし、持ち運べる「BOOT革命/USB Ver.4」を選択すればよい。
もし、手持ちのUSBメモリが正しく動作するか確認できない場合は、現在公開中の「BOOT革命/USB Memory Ver.3体験版」を試すといいだろう。体験版には、エクスターナルインストールやデータベースファイルを使用して異なるコンピューターでも起動するといった機能をサポートしていないが、導入から14日間使用できるため、USBメモリの動作確認や本製品のポテンシャルを確認するには十分である。本レビューをご覧になり、少しでも気になった方は試してみることをお勧めしたい。
なお、Windows OSの一般的なライセンスには注意して欲しい。パッケージ版では、インストールに関する制限は存在しないものの、同時使用は基本的に不可能である。仮に会社のコンピューターに導入済みのWindows 7をUSBメモリにコピーし、社内ではほかの人間が使用しつつ、外出先で自身が使用する場合、ライセンス条項に抵触する可能性があるので、その際はマイクロソフトのボリュームライセンスの購入を考慮して欲しい。