異なる環境で起動可能にする
ここまでは自宅用コンピューター、つまりコピー作業を行ったコンピューターで使用するUSBメモリの作成だが、客先のコンピューターが同じハードウェア構成であるとは限らないため、Windows OS上で動作するデバイスドライバーの準備が必要となる。これは、BOOT革命シリーズやHD革命シリーズをお使いの方にはお馴染みの、データベースファイルを作成することで対応可能だ。
各デバイスが必要とするデバイスドライバーをあらかじめデータベースファイルとして用意し、Windows OSのプラグ&プレイ機能でバイスドライバーを組み込ませることで必要最小限の駆動が可能になる。対象となるデバイスだが、インテルはICH7~ICH10までのSATA ACHI/RAID、およびICH6の一部(ESB2 SATA AHCI/RAID)。AMDはSB7xx系、およびSB8xx系のチップセット。NVIDIAは MCP61/68、MCP72/78といったチップセットのデバイスドライバーが自動的にダウンロードされる。
また、新たにネットワーク用ドライバーとしてIntelやRealTek、Atherosの標準的なデバイスドライバーが組み込まれるようになった。ちなみに「操作」メニューから「デバイスドライバを追加」を選択することで、独自のデバイスドライバーをデータベースに追加することも可能だ。この手順を行ってから、前述のUSBメモリへのコピーを実行すればデータベースファイルは自動的に取り込まれる(図14~18)。
図16 必要するベンダーやカテゴリから取捨選択し、「開始」ボタンをクリック |
図17 デバイスドライバーのダウンロードおよび展開を終えたら「OK」ボタンをクリック |
もう一つの対応策として用意されているのが、環境修復ツールである。同機能はUSBメモリにコピーしたWindows OSが起動しない場合に使うためのものだ。同ツールを使用することで、通常のWindows OS環境から、USBメモリにコピーしたWindows OSにデバイスドライバーを追加できるため、OSが起動しないといったトラブルを改善できる。
基本的には前述のデータベースファイルを用いてデバイスドライバーの追加を行うが、特定のコンピューターに対してのみ必要となるデバイスドライバーを単体で追加することも可能だ。しかし、その結果をUSBメモリ上に書き出すということは、必然的にUSB規格の最大データ転送速度に足を引っ張られることになるので、追加するデバイスドライバーが今後も必要になる場合は、データベースファイルを作り直した方が後々の手間も軽減されるだろう(図19~22)。