また、本製品のスタイルも「MobileGear」シリーズを彷彿とさせる要因のひとつだ。本体の形状は横長で、重量は700g前後。ディスプレイにタッチパネルを採用している点も変わらず、中期から後期にリリースされたWindows CE機の「MobileGear R」シリーズと似通っている。そして当時の「MobileGear」よりも薄くなり、携帯性が向上するなど、随所でさらなる進化を遂げている。

ディスプレイにはタッチパネルを採用しているものの、本体の厚さは25mmと「MobileGear」を凌ぐ薄さを実現。カバンにすんなり収納できるサイズがすばらしい

とくに進化したポイントは、やはり通信デバイスだろう。当時とは通信環境が違うので当然のことではあるが、本製品では全モデルで無線LANとBluetoothに対応。また、最上位モデルではFOMAハイスピードに対応しており、どこでもネットへアクセスできる仕様となっている。ちょっと残念だったのは、WiMAXを内蔵していない点。WiMAXの対応エリアはまだまだ首都圏や大都市が中心ではあるが、その通信速度は魅力的。設計上はFOMAハイスピードとWiMAXを両方搭載することが可能であり、モバイル環境で利用することがメインの本製品では大きな魅力となりうる仕様だ。後継機ではWiMAX搭載をぜひ検討してほしい。

試用したモデルは無線LANモデルだったが、バッテリを外すと、その奥にSIMカード用のスロットが装備されていた。モバイルするならFOMAハイスピード対応のワイヤレスWANモデルが狙い目

無線LAN設定用のユーティリティも用意。同社のルーターと簡単に利用できる「らくらく無線スタート」のほか、公衆無線LANなどの設定をプロファイル化して外出先でスピーディにアクセスできる「ワイヤレス自動接続」が利用できる

一方、重量の割に長時間のバッテリ駆動を実現している点も、「MobileGear」から進化しているポイントだ。連続動画再生で約8時間、YouTube動画の視聴で約7時間のバッテリ駆動時間を確保しており、筆者が実際に丸1日持ち歩き、取材などに利用してもバッテリは7~8割ほどしか消費しなかった。相当がんばって使わない限り、バッテリ容量を心配する必要はないだろう。

標準搭載のバッテリは、常に通信をしながら動画再生をする状況で、約7時間駆動する。ネットやメールの利用が中心なら、ゆうに1日はもつ