ウィザージャパンのワイヤレスHDMIキット「EZR601FHD」は、PCの画面と音声をワイヤレスUSBで送信し、HDMI入力を持った液晶ディスプレイや液晶テレビなどで受信できるようにする製品だ。
■試用機の主な仕様
[インタフェース] PCアダプター : USB 2.0、フルHDアダプター : HDMI 1.3、オーディオジャック、S/PDIF [無線通信方式] Certified Wireless USB 1.0準拠 [暗号化方式] 128bit AES [通信距離] 最大10m(見通し) [解像度] 最大1,920×1,080ドット(フルHD対応) [対応OS] Windows XP/Vista/7、[サイズ] PCアダプター : W21×D33×H54mm、フルHDアダプター : W91×D76×H81mm [店頭予想価格] 18,000円前後
「EZR601FHD」は、「PCアダプター」と「フルHDアダプター」で構成される。ワイヤレスUSB送信機の「PCアダプター」をPC側に接続し、受信機となる「フルHDアダプター」とディスプレイ側をHDMIケーブルで接続する。これにより、PCの画面と音声を、離れた場所のディスプレイで出力可能となる仕組みだ。主にノートPCでの利用が想定されている。
対応する解像度は最大1,920×1,080ドットで、同時に音声も送信されるため、HDMIケーブル1本で映像と音声を同時に送受信できる。フルHDアダプターにはステレオミニジャックとS/PDIF端子があるので、外付けのスピーカーやヘッドホンから音声を出力することも可能だ。
無線でフルHD映像を送信できるのが、この製品の大きな特徴の1つ。ワイヤレスUSBの通信速度はUSB 2.0と同じ480Mbps(理論値)となっており、実効速度は約100~120Mbpsとのことだが、フルHD映像と音声を送信できるだけの帯域を持っている。ただし、HDCPで著作権保護されたコンテンツには対応していないので、この点は覚えておいてほしい。
オフィスであれば、ノートPCと離れた場所にあるディスプレイやプロジェクターに、ノートPCの画面をワイヤレスで送信する用途が考えられる。PCアダプターとフルHDアダプターの通信可能距離は見通しで最大10mとなっているため、一般的な会議室などなら問題ないだろう。
自宅の場合は、リビングのテレビにノートPCの画面を出力するのが基本的な使い方だ。テレビとノートPCをHDMIケーブルで直結する必要がなくなるので、ケーブルが邪魔にならずに済む。また、ノートPCを手元に置いたまま、少し離れたテレビで画面と音声を出力できるのは便利だ。
ちなみに、PC側の推奨スペックも把握しておきたい。Windows XPでオフィスソフトやWebブラウザが中心の場合、CPUがIntel Atom(1.6GHz)以上でメモリが512MB以上だが、1080pのフルHD動画を再生するには、Intel Core2 Duo(1.8GHz)以上と1GB以上のメモリが必要となっている。Windows VistaやWindows 7の場合は、オフィスソフトやWebブラウズならIntel Core2 Duo(1.6GHz)以上と1GB以上のメモリ、1080pのフルHD動画を再生するにはIntel Core2 Duo(2.4GHz)以上と2GB以上のメモリが、メーカーの推奨最低環境だ。