現時点では、スマートフォン向けのAndroid 2.3(コードネーム:Gingerbread)と、タブレット向けのAndroid 3.0が分かれているが、これに関しても「将来的に、別々にするか一緒にするかは、まだ決まっていない」。

また、グーグルは「Nexus One」や「Nexus S」といった端末を、メーカーと共同で開発しているが、これはあくまでもOSの要件を定めるための"リーディングデバイス"とのこと。メーカー選定の基準に関しては「能力、勢い、信頼性など全てを検討プロセスに乗せている」という。今までは台湾・HTCや、韓国・サムスンが、これらのデバイス開発に携わっていたが、「どうお付き合いするのかは、毎日検討している」そうだ。

端末間の互換性に関する質問に対しては、「全て固定にするつもりはない」と答える。要求するスペックを画一化することで、端末のバラエティが失われてしまうからだ。ただし、「Android 3.0ではハードキーを全てなくしており、画面上のボタンだけで操作する」ことになる。これを受け、Lagerling氏は「メーカーは(互換性を保ったまま)カスタマイズしやすくなるだろう」との見通しを語った。Android 2.3以降のバージョンでは、画面の解像度などを細かく規定しなくなったが、逆に「比率があまりに長細いとアプリを作る方が大変になる」という理由で、アスペクト比のレンジを設けるようにした。

さらにLagerling氏は、Android 2.3から対応が始まったNFCについて「おサイフケータイに関わっていた人としては、『今さら』と思う部分もある」としながらも、「エコシステムの複雑性が高く、大きなプレイヤーがこの方向になると言わないと、物事が動かない」と語った。逆に言うと、NFCへの対応は「何社かと一緒になってメリットを届けるというビジョンに基づいている」ということでもある。同氏は「日本でのベネフィットを見ている業界の人は多く、その経験を生かしてビジネスを検討している」と語り、今後の展開に含みを持たせた。