とは言え、同じAndroidという土俵の上では、端末が均質化してしまう恐れがある。このような状況では、どのようなメーカーが成功するのか。Lagerling氏によると、「ハードのデザイン、部品、機能を上手く組み込むことができるメーカー」が、市場をリードする可能性が高くなっているという。自由度の高さは市場に合わせた商品作りにもつながり、「今までの経験とのいいところ取りができる」。「日本のユーザーが必要とする機能も搭載されるようになった。ワンセグ、おサイフケータイなど、今までのスマートフォンには含まれていなかった機能も使える」というのも、Androidの強みの1つと言えるだろう。
実際、日本市場でも「ホリデーシーズン(冬商戦)で、かなりの勢いが見えてきた」という状況になった。Lagerling氏は、Android端末が躍進している原因を「端末のデザインや機能が上がり、ケータイメールとの互換性も確保された。料金プランや買い方のハードルも下がった」と分析。今後については「海外メーカーが日本に進出して新しい端末を出しているが、逆に日本のメーカーも海外でAndroidを活かし、ヨーロッパや発展途上国などで活躍するという展開が見えている」とした。
また、Lagerling氏は間もなく端末が登場するAndroid 3.0(コードネーム:Honeycomb)についても語った。Android 3.0は大画面のタブレットをターゲットデバイスとしており、「最強のポータブルインターネットデバイスを実現するためのOS」という位置づけだ。例えば、「今までもウィジェットは使えたが、画面が大きくなることで初めてよさが分かる。スクロールしたり、タッチしたりといったインタラクションも活きてくる」という。もう1つの特徴が「リアルタイム性」だ。
「市場に出ているタブレットは、大体1つのことをやってから、それを終了させてもう1つのことをやる仕様。ところが、Androidは元々マルチタスクなので、ネット閲覧中に着信があったメールをチェックしてから元に戻ることができる」
このAndroid 3.0を搭載した端末は、間もなく日本市場にも投入される予定だ。
質疑応答では、Androidのロードマップや、グーグルのサポートポリシーなどに話が及んだ。Androidは、Windowsシリーズのように、明確なロードマップが公開されていないが、これは「イノベーションのスピードを重視しているため」だという。「作ったロードマップが次の日に嘘になってしまう可能性が高い。教えないのではなく、我々にもわからない」ため、あえて将来の構想を打ち出していない。メーカーからも「スペック、解像度、必要なメモリなどを聞かれるが、正直分からない」というのが本音なのだ。