グーグルは、1月31日にAndroidの戦略やこれまでの歩みについての記者説明会を開催した。登壇したのは、グーグル本社でグローバルパートナーシップを統括する、John Lagerling氏。Lagerling氏は、日本でNTTドコモに勤務したあと、グーグル日本法人、アドモブ日本法人を経て、現職に至っている。
Lagerling氏は、まずAndroidの位置づけを語った。「Androidはオープンソースで、無償で配っている。これまで携帯電話を開発していなかったメーカーでも簡単にデバイスが作れる」と話し、プラットフォームとしてのポジションを解説。その上で、「以前はGoogleフォンとどう競争していくのかという話もあったが、そのようなものはない。Androidはスマートフォンの世界でバラエティを実現するための重要な道を用意している」とし、iPhoneや他の携帯電話との違いを説明した。
現在、Androidは「毎日35万の端末に電源が入れられ、ネットワークにつながっている」状況だ。結果として、アプリの開発者にも「かなりのビジネスチャンスが広がっている」という。また、Lagerling氏は日本での生活も長く、黎明期の頃からiモードを体験している。NTTドコモでは、自身もiモード事業に携わっていた。こうした経験に基づき、同氏は次のように語る。
「日本でもインターネットにつながった端末は数多く出回っていたが、キャリアのポリシーやビジネスモデルがバラバラだった。海外でコンテンツを流通させようとすると、端末も違う、キャリアのポリシーも違うというようなハードルもあった。ところが、スマートフォンなら簡単に、コンテンツを世界中に展開できる。特にソーシャルゲームやエンタメコンテンツに関しては、かなり海外に向けての展開が見えている」
一方で、Lagerling氏によると、端末メーカーにとってもAndroidを採用するメリットは大きい。「Androidなら、ベースの部分のインフラが出来上がっている」からだ。
「6000ページ、7000ページの仕様書に基づき、半年ごとに新機種を作っていたが、Androidなら基本のものは、全部無償で揃っている。チューニングは必要だが、ラジオRF部分まで含めてオープンソースでできている」
これがメーカー側の負担軽減につながる。リソースを「ユーザーインタフェースや、端末そのもののデザインなど、本当に力を入れるべきところにフォーカスできる」のだ。結果として、「20数社のメーカーが端末を開発しており、現在145のデバイスがある」という状況になった。