Android端末をゲーム機に変えるPS Suite

Android向けのゲームプラットフォームとして紹介されたPS Suiteは、Android 2.3(Gingerbread)を搭載したスマートフォンやタブレット端末に対して、プレイステーションゲームを楽しめるようにするための仕組みで、現時点で詳細は明らかにされていないが、「まずは初代プレイステーションのゲームをエミュレーション」(同)したゲームを提供するという。Android 2.3ではゲームコントロール関連のAPIが追加されており、この辺りに対応OSが限定される理由がありそうだ。

SCEでは、「プレイステーション サーティファイド」ライセンスプログラムを開始し、PSPのロゴや開発協力、品質のテストなどを行うことで、Android端末でPSPゲームが安心して楽しめる環境作りを構築する。これによって、PS Suite対応端末を拡大させたい考えだ。

プレイステーション サーティファイドライセンスプログラム

平井社長は、「携帯端末では、日々新しいゲームが生まれている」と指摘。ユーザーには多様なニーズがあるとして、これに応えるためにゲームフレームワークもゲーム開発者に提供。Android上で動作するゲームの制作の環境を整えることで、より多くの開発者に、より多くのゲームを作成してもらうことで、コンテンツを充実させていく。このフレームワークはハードウェアに依存せず、比較的簡単に開発できるのが特徴だという。

PS Suiteでは、「独自のセキュアな環境で安心してコンテンツを提供できる」(同)そうで、複数のAndroid端末で、PSPゲームが遊べるようになる。「数え切れないデバイスがプレイステーションファミリーに加わる。そうなると、想像を超える大きな動きを生むのではないか」と平井社長は熱く語る。

PlayStation Storeでゲームを購入できる

Storeから購入できるゲームの例

スマートフォンでは当然無線通信も可能なので、自宅でも外出先でも、ゲームデータにアセスできるようになる。「いつでも同じデータにアクセスできる未来が近づいている。新しいコンピュータエンターテインメントが生まれる」(同)。なお、PS Suiteは、NGPも対応する。

Android端末でエミュレート動作するプレイステーションゲーム

PS Suiteの提供は年内になるというコメントしか得られなかったが、ソニー・エリクソンがAndroid 2.3を搭載した「Xperia arc」を発表したことから、Xperia arcではPS Suiteが利用できるようになる可能性は高い。2月にはスペイン・バルセロナで世界最大のモバイル関連の見本市「Mobile World Congress 2011」が開催されるため、ここでも何らかの情報が公開されることが期待できそうだ。