取材当日、朝から東京・調布の撮影現場へ。そうなんです、今回のCM撮影場所は日活撮影スタジオなんです!! 入口に到着すると昔の家並みのようなレトロな軒並みがお出迎え。守衛とビシッと挨拶を交わし、中へ進みます。

日活なんて聞くと、皆さん渡哲也さんや杉良太郎さんといった往年の日活スターを思い浮かべるかもしれませんが、今回はそこをぐっと堪えてください。右の写真が今回撮影が行われた11スタジオです

撮影現場に着くと、すでに多くのスタッフが撮影準備に取り掛かっていました。スタッフの方によると会場の関係で、撮影前日の16時からしかセットを組むことができなかったそうな。そのため、撮影当日も朝からテキパキとセットの最終チェックを行っていました。

伝わるでしょうか。こんなハイクオリティなセットを約半日で作らなければいけないんです

身長186cmの豊川さん。実際にお会いするとその身長以上に大きく感じます。役柄であるヴァンパイア(ドラキュラ)の衣装、メイクをバッチリ施した豊川さんはCM撮影前ということもあり、真剣な表情で現場入り。早速CM監督と動きの確認などを行います。

スタッフと話し合う豊川さん。その眼は真剣そのものだ。CMカットをイメージしやすいように実際に俳優さんに演じてもらった絵コンテが現場に持ち込まれていた

ここで今回のCMのあらすじを簡単に紹介しておきましょう。

~コカ・コーラ ゼロフリー新CMのあらすじ~
大きな月が浮かぶ夜空。コウモリが飛び交う中で、豊川扮するヴァンパイアがロングジャケットをたなびかせて舞い降りる。剥き出しとなった牙を見せながら、吼える豊川。ズン!と激しく着地し、石造りの宮殿の中を颯爽と歩き出す。その部屋の奥には、首にかかった髪をかき上げる美女二人。しかし大好物の生き血よりもヴァンパイアが飲みたかったのは、荒く削られた氷が浮かぶグラスに注がれた「コカ・コーラ ゼロフリー」。ヴァンパイアはグラスを取り、乾いた喉を潤して満足げな表情を浮かべる。その後、さらに生き血を求めて美女の首筋に大きく口を広げるが、「コカ・コーラ ゼロフリー」によってすでに満ち足りていたヴァンパイア。その象徴ともいえる牙がするすると元の歯に戻ってしまう。金色の瞳を妖しく輝かせながら、満足した表情で夜の"上質なオトナの時間"を堪能する。

ヴァンパイアに扮した豊川さんがロングジャケットをなびかせながら約2メートルの高さから飛び降りるシーンと豊川さんの顔の表情をドアップ(右)で撮影するふたつのシーンの制作現場を見させていただいた

撮影は、豊川さんがロングジャケットをなびかせながら飛び降りるシーンからスタート。このシーンで豊川さんは、特に手の仕草に注目。スタッフと入念にイメージを共有し、"空気を手で抑えるイメージ"で撮影は行われました。また、撮影中はそれ以外にも、マントの揺れ具合をはじめ、着地した際のマットの沈み具合や左右の足の位置など、細部に渡りこだわりと見せていました。

マントがキレイになびくまで何テイクも飛び続けていました

クッションの固さを測る豊川さん(写真左)。毎回飛び降りるごとにマットを綺麗に拭くスタッフ。良いCMを作るには、こういう細かい作業も大切なんですね

CM撮影が進むにつれ、徐々に緊張がほぐれてきたのか、豊川さんもようやくスタッフに爽やかな笑顔を見せ始めます。数分間、CM監督と豊川さんは他愛のない話をし、豊川さんはまた仕事モードにスイッチ。今度は顔の表情をドアップで撮影するシーンの撮影に移ります。ここでは監督から"とにかく満足している様子で"との指示が飛んでいたほか、顔にあてる風の強さ、表情のニュアンスなどを1回1回チェックしながら入念にスタッフや監督と話し合い撮影を続けていきます。

豊川さんが休憩するためのスペース。もちろん飲み物はコカ・コーラ製品だ!スタッフ用にも冷蔵庫にビッシリ飲み物が用意され、自由に飲むことができる