<レポート>タブは、各所で登録した情報を元に支出と収入の傾向を、数字とグラフで把握するための機能を備えている。費目を正しく登録していけば、その月を暮らすのに使った費用や食費、クレジットカードに頼った借入金など様々な角度から分析することが可能だ。これだけでもMicrosoft Money Plus Sunset Deluxe日本語版を使う価値があるだろう(図23~24)。
このほかにも、食費や保険医療費などの定期支出の予算作成や、月々の収入を支出と比較する<予算>タブ。保有している証券などを元に資産管理を行う<投資と運用>タブ。登録した情報などを元に金銭的な人生設計の見直しを行う<プランナー>タブもある(図25~26)。
ただし、これらの一部は前述したオンライン連動機能の廃止により有益とは言い難い。例えば株資産の管理を行うポートフォリオ機能は、オンライン経由で株価の更新がなされないため、事実上無意味な機能となってしまった。一度販売終了した製品に過度なサービスを求めるのは無意味かも知れないが、Microsoft Moneyシリーズが持つ利便性を損なうだけに、残念な部分と言えるだろう(図27~28)。
図28 ポートフォリオやコラムの更新を行ってもエラーになってしまう |
そもそもMicrosoft Money Plus Sunset Deluxe日本語版という名前からもわかるように、Microsoft Moneyは「日没」を迎えてしまっているのである。そのため、従来の利便性を求めるわけにはいかないが、これまでMicrosoft Moneyシリーズを使ってきたユーザーに対する救済策。もしくは、コストをかけずに現在の資産運用は日々の収支を改めて見直したいユーザーに対しては、有益なアプリケーションであることは間違いない。昨今の不況化を踏まえつつ、将来を見据えて貯蓄術を磨きたい方は一度試してみる価値があるだろう。
阿久津良和(Cactus)