Hard Disk Managerのおもな機能

Hard Disk Managerのおもな機能を紹介しよう。以下では、ランチャーからではなく、Hard Disk Managerからの操作を紹介する(図14)。

図14 Hard Disk Manager

まずはイメージバックアップである。ツールバーの[バックアップ]を選択する。バックアップウィザードが起動する。バックアップの対象では、HDD全体を指定する。

図15 バックアップの対象

同様にウィザードに従い、保存先などを指定していく。最後にツールバーの[適用]をクリックし、バックアップを実行する。

図16 バックアップ中

HDD全体のイメージバックアップを作成することで、起動できない場合には、製品CDやリカバリーメディアから起動しリカバリーできる。Hard Disk Managerには、他にもファイルバックアップなど複数の方法があるので、適切な方法でバックアップをとっておきたい。Hard Disk Managerで、強力な機能といえばパーティション操作であろう。GUIを使い、安全にパーティションの操作が可能である。ここでは、1パーティションを2つのパーティションに分割してみる。図14で、分割したいパーティションを選択し、メニューから[パーティション]→[パーティションの移動/サイズ変更]を選ぶ。

図17 パーティションの移動/サイズ変更

選択したパーティションの前後に新たな空き領域を作成できる。システムディスクの場合には、後ろ側に新規のパーティションを作成するほうが安全であろう。マウスでも可能だが、確保する容量の直接入力やスライドバーでも設定可能だ。(未割り当て)とある部分が新しいパーティションになる。[適用]をクリックすると、再起動後に実際の変更が行われる。再起動後、空き領域を右クリックメニューの[パーティションの作成]を選ぶ(図18)。

図18 パーティションの作成

パーティションの種類やボリュームラベルなどを適切に設定する。最後に、Hard Disk Managerで覚えておきたい機能を1つ紹介しよう。HDD、もしくはパーティションの完全抹消である。HDD上のデータは、削除・フォーマットをしたくらいでは、完全に抹消されていない。特殊なツールを使えば、復活させることも可能である。

HDDを処分するときなどは、セキュリティの観点からも完全なデータ抹消をしておきたい。ツールバーの[ディスクまたはパーティションの抹消]を選択する。ウィザードが起動するので、指示に従い進める。抹消の方法は、複数あるがデフォルトで問題ない。[米国国防総省 DoD 5220.22-M方式]では、書き込みが3回、検証が1回行われる(図19)。

図19 抹消方法情報

抹消には、容量によって時間がかかるので注意してほしい。

Boot Managerで複数のOSを起動

Hard Disk Managerには、Boot Managerが付属する。これを使うことで、複数のOSを1台のPCにインストールし、必要に応じて起動させることができる。ここでは、Windows XPがインストールされたHDDに、パーティションを新たに作成し、Windows 7をインストールする(逆の順番だと、そのままではXPしか起動できない)。Hard Disk Managerを製品CDから起動して、パーティションを作成し、NTFSでフォーマットまでを行う。ここで、既存のXPのパーティションを右クリックメニューから非アクティブに設定する。ボリュームラベルは、インストールするOS名にしておくと後でわかりやすい。

図20 Windows XPのパーティションを非アクティブに

Hard Disk Managerを終了し、Windows 7をインストールする。注意すべきはインストールする場所で、既存のXPの領域を選択しないようにすることだ(そのためにボリューム名を上述のように指定する)。

図21 Widows 7のインストール場所の選択

最初にXPの領域を非アクティブにしたので、現時点ではXPは起動できない。7が起動したら、Boot Managerをインストールする。Boot Managerはデフォルトでは、無効となっているので、Boot Managerを起動し、セットアップを行う(図22)。

図22 Boot Managerのセットアップ

ウィザードが起動するが、設定すべき項目は少ない。唯一あるとすれば、タイムアウトの秒数くらいだろう(図23)。

図23 Boot Manager設定

ウィザードを完了し、再起動すると、図24のように起動するOSが選択可能となる。

図24 Boot Managerで起動OSを選択