Sandy Bridgeを使い倒すために"神様"からのアドバイス

神様こと天野氏のセッションは正式発表後とあって舌も滑らか。Sandy Bridgeの機能を深部まで紹介している。

Sandy Bridgeと1世代前のClarkdale/Arrandaleとの違いとしてはCPUとGPUの実装方法がMCMからシングルチップへとなった点、AVXの追加、L3キャッシュをCPUとGPUで共有できる点といった既に有名なところから、ベースクロックが100MHzへと変更された点、C2EやC7といったアイドルステートが追加された点、そして省電力制御方法がドライバからプロセッサ内に統合された点などを挙げた。

Clarkdale/Arrandale(統合グラフィック搭載)とSandy Bridgeとの機能比較

また、チップセット内でクロック生成され、それが100MHzという1系統にまとめられた点について、そのメリットとデメリットも説明した。メリットは省電力とコスト削減、デメリットはベースクロックでのオーバークロックができなくなった点だ。Sandy BridgeのOCが現状ではKシリーズのクロック倍率でしかできない点を認めている。とはいえ「ASROCK先生!」として「従来型のクロック生成を行うマザーの登場を待つ?」というクエスチョンを提示した。外部で生成するクロックを使う方法が残されている可能性はあるのだろうか。

P67・H67から外部のオシレーターに頼らずチップセット内で100MHzのクロックを生成する方法を採用。ベースクロックはもちろんマザーボード上の各コンポーネントにもこの1系統で供給している

メリットとしてはクロック管理の強化による省電力、オシレーターぶんのコスト削減などを挙げているが、デメリットとしてベースクロックによるOCができない点を挙げた。OCできても約5%。つまり105MHz程度にしか上がらないという。今まで通り外部でクロック生成する製品は登場するのか?

OCの話題としては、Kシリーズの倍率変更が可能なのはP67と組み合わせた際のみ、という情報も開示された。なんでも内部ビットで判断しており、このビットが1になるのは現状P67のみということである。H67マザーは基本的に「いじれない」とされる。ただ、Kシリーズ以外のi7/i5とP67を組み合わせた際はTurbo時の定格レシオ+4段は設定できるとのこと。メモリやCPU電力、GPUクロックレシオなども設定できるというから、まったくOCできないわけではないらしい。そのほかCPU選びでの注意点として、CPU毎にvProへの対応が異なる点や省電力版であるSシリーズ、Tシリーズなどが紹介された。

Kシリーズの倍率変更OCは(インテル製品では)Turbo Boost倍率という意味。そして可能なのはP67との組み合わせ。このスライドのなかのNon-Turbo時の倍率というのはダウンクロックの意味。H67でもダウンクロック側は可能とのことだ

Kシリーズ以外の通常モデルでも4段まではOC可能とのこと(ただしP67で)。そのほかパフォーマンスチューニング可能なのはメモリやCPU電力のオーバーライド、GPUクロック倍率など。H67でもGPUクロック倍率だけはいじれるとされる

P67とH67の機能比較

CPUシリーズごとの機能比較

各CPUごとのTurbo Boostの挙動

Sandy Bridgeでは65W版のSシリーズ、35W版のTシリーズなどがラインナップされる

CPUごとにvProの対応も異なるため、遠隔制御等を検討される方はCPU選びに要注意とのこと

OCができてQuick Sync Videoも使える製品は現在のところ無し。ただし将来的には対応製品の登場に含みを持たせている。噂されるZ68か?