数日前にChrome OSノートPC「Cr-48」の開封レポートをお届けしたが、「Chrome OSってメインマシンとして使えるの?」と思った方が多いのではないだろうか。Chrome OSのようなOSのコンセプトは以前から存在していたし、実際にシンクライアントをコンシューマ向けに提供する試みもあったが、いずれも失敗に終わっている。それなのに、なぜ今Chrome OSパソコンが求められるとGoogleは考えるのか? その答えを示すのが、今回GoogleがChromeイベントを開催した狙いだったといえる。そこで改めて、同イベントでGoogleが語ったことをふり返ってみよう。
プレゼンテーションは、「Chrome」の情報アップデート、「Chrome Web Store」オープンの発表、「Chrome OS」のデモとパイロットプログラム発表の順番で進められた。
Chromeのアクティブユーザー数は現在1億2,000万人。2010年1月の時点から300%増だという。Chromeと言えばスピード、実際Chromeを使う理由に「速いから」と答えるユーザーがダントツに多いという。だが最近のChromeのバージョンアップでは、PDFビューワ統合やChrome環境の同期・バックアップなどスピード以外の改善が目立つ。それは2年前と今でChromeの役割が変わってきているからだ。バージョン1.0当時のChromeは、Webを単なる情報リソースからアプリケーションの実行環境に成長させるけん引車だった。他のブラウザもJavaScript実行の強化に乗りだし、Webアプリが当たり前のように使われ始めた今、GoogleはChromeをスピードだけではなく、安全で使いやすいプラットフォームに成熟させようとしている。
2010年5月のGoogle I/O時点で7,000万人だったChromeのアクティブユーザーは、現在1億2,000万人 |
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Chrome Web Storeの提供も、Chromeプラットフォームを整える作業の一環といえる。Chromeユーザーが必要なWebアプリを1カ所で探せる場であり、また開発者が1億2,000万人のChromeユーザーにWebアプリを提供できるマーケットになる。