だれとでも定額は、この2つの料金プランに加入し、W-SIM対応機種以外の端末を利用している場合に、月額980円を追加することでだれとでも定額が利用できるようになる。W-SIM対応機種に関しては、技術的な課題がクリアできれば今後対応するそうだ。

ソフトバンクからウィルコムの新社長に就任した宮内社長は、ウィルコムを「ソフトバンクグループの4社目の通信会社」と表現。固定のソフトバンクテレコム、ブロードバンドのYahoo!BB、携帯のソフトバンクモバイルに続く4社目という位置づけだ。「赤字に近かった」日本テレコム(当時)を買収後には収益構造を改善。Yahoo!BBも10年近いブロードバンド事業で「利益を出せる企業に育った」(同)。ボーダフォン買収後、当初は苦労したというソフトバンクモバイルも、契約数の月間純増数で1位を続けて好調だ。

ソフトバンクグループで4社目の通信会社となるウィルコム

こうしたソフトバンクが体験してきた「サクセスストーリー」(同)をウィルコムでも実現したい考え。その端緒として提供するだれとでも定額は、「常識を1回ひっくり返さないといけない」(同)というスタンスで提供されるプランで、「価格破壊であることは事実」(同)だが、収益性は十分考慮されているという。

その背景として、ソフトバンクと共同で携帯の3Gと共用するPHSアンテナを開発。ソフトバンクの基地局の鉄塔上にPHSアンテナを設置できるようになり、インフラの拡大が低コストで行えるようになった。当初1つの基地局で半径500mしかカバーできなかったものが、現在は半径1kmまで拡大できるようになったことで、より少ない基地局でカバーエリアが広げられるのもポイントだ。

従来の3GアンテナとPHSアンテナをひとつに収める共用アンテナを共同開発

3G基地局にPHS基地局を設置できるようになることで、カバーエリアが拡大する

基地局自体の性能向上で、基地局数を減らしてもカバーエリアを拡大できる

さらに、来年度にかけてすべてのネットワークをIPネットワーク化し、従来のISDNからソフトバンクグループのネットワークを利用することでコストを削減する。

バックボーンをオールIP化することもコスト削減に大いに役に立つ

ネットワーク部分をソフトバンクグループで連携させることでコストが削減できる

さらに、だれとでも定額の提供に加え、取り扱い店舗を従来の2,754店舗から今年度中に4,000店舗まで拡大。加えて、これまでは資金的にできなかったテレビCMも積極的に放映することで、売り上げの拡大を図る。

「新生ウィルコムを印象づけられる人」(宮内社長)としてCMキャラクターに選ばれたモデルでタレントの佐々木希さん。iPhoneも所有しているという佐々木さんは、2台目としてウィルコムを利用したいと話す

宮内社長からは、新製品のHONEY BEE 4が贈られていた。「電話代を気にして、親とはメールですませることも多かった」と話す佐々木さんは、無料で通話できることから、「声を聞きたいので電話(通話)はうれしい」と喜んでいた

法人向けに関しても、ソフトバンクテレコムが提供する固定電話サービス「おとくライン」で無料オプションを提供し、おとくラインからPHSへの通話料を無料にする。だれとでも定額と組み合わせることで、PHSからも固定からも無料で通話できるようになる。

だれとでも定額によってあらゆる通話が無料で行えるが、さらに固定のおとくラインを使うことで、PHSへの通話も無料化できる

調査では、キャリアの変更で通話料を安くしたいという人は39.1%、ケータイを複数台持つことでトータルでの料金を安くしたいという人は40%になっており、定額制のだれとでも定額を提供することで、キャリア変更や2台持ちへの訴求を図りたい考え

法人向けサービスでは、さらにウィルコムビジネス/コンシェルサービスも開始し、一括導入する法人向けのサービスを提供する

だれとでも定額のまとめ