Word 2011には、前バージョンに引き続き「デザインレイアウト表示」機能が搭載されている。「デザインレイアウト表示」は、専用のツールバーが表示され、DTPソフト的な操作で文書の編集ができる表示モードだ。

デザインレイアウト表示の状態。文書作業スペースは、机の上で作業しているかのような見た目に変わり、独自のツールバーも表示される

こう見ると「かなり凝ったデザインの文書作りに使う機能」というイメージが強いかもしれないが、Word 2011ではもっと気軽にこの機能を利用することをおすすめしたい。 なぜなら新たに登場した「ダイナミックソート」機能は、このデザインレイアウト表示でのみ利用することができるからだ。

これまでにない画期的な手法でドキュメント内のオブジェクトの重なり順を把握・編集することができるダイナミックソート機能を使えば、例えば写真入り年賀状のように、写真、背景、テキストボックスなど複数のオブジェクトを組み合わせた文書の作成効率は大きく向上する。「写真の上に文字を配置しようとしたら、背景の下に潜りこんで写真が見えなくなってしまった」といった種類の失敗はもう過去のものなのだ。

操作は至って簡単で、デザインレイアウトの[ホーム]タブ→[配置]にあるオブジェクトの順序変更用のボタンをクリックして起動。あとはドラッグでオブジェクトの順序を入れ替えればよい。

見た目も操作感もこれまでのビジネス向けアプリケーションにない楽しさを感じられるはずなので、ぜひ一度試してみてほしい。

ダイナミックソートの画面。写真、背景、テキストボックスなど重なり順が一目瞭然だ。ポインタのあるオブジェクトは強調表示されるので、ドラッグで移動しよう

表示モードの切り替えはウィンドウ左下のボタンをクリックするだけで行えるので、主だった編集は使い慣れた印刷レイアウト表示で行い、オブジェクトの管理時はデザインレイアウト表示で行うといった使い方ももちろん可能だ。 なお、今回紹介した画像の編集機能、デザインレイアウト表示などを駆使して作成したドキュメントも、Windows版の最新バージョンとなるWord 2010と完全に近い形で互換が得られる。この点もポイントだ。

ドキュメント内の各写真に対して、画像の編集機能を適用した文書。左の写真では背景の削除を行い、中央の3点では任意の色へ変更し、右の写真ではアート効果の適用を行った。Mac版のWord 2011(左)とWindows版のWord 2010(右)、どちらでも同じように表示される

Office for Mac 2011 新機能大全

Mactopia Japan