MacBook Air 11インチモデルは、CPUにIntel Core 2 Duo 1.4GHzを搭載しており(1.6GHz版も選択可能)、従来よりもクロック周波数がかなり控えめ。二次キャッシュの容量もこれまでの半分となる3MBになっており、性能よりも小型軽量化を優先したという印象だ。ただし、グラフィックスはこれまでのNVIDIA GeForce 9400Mに代わりNVIDIA GeForce 320Mが採用されており、パフォーマンスが大きく向上している。
グラフィックス性能のアップは、フルHDの動画などを再生する際にとくに恩恵を感じる。実際に1080p(1,920×1,080)のH.264形式のムービーをQuickTime Playerでフルスクリーン再生してみたところ、CPU稼働率は各コアとも10~15%程度と低く、コマ落ちなどもまったく発生しなかった。
なお内蔵するストレージは64GBまたは128GBのフラッシュメモリで、データの読み出しが速く、アプリの起動も非常に高速。そのため、CPU性能が低くても、Web閲覧やメールなどの日常的な作業でストレスを感じることはほとんどない。とはいえ、プリインストールソフトのiMovieで動画編集などを行うときなど「さすがに負担がかかっているな」と感じるシーンはある。
そこでCPUパフォーマンスを測るため、QuickTimeを使ってムービーを変換するのにかかった時間を計測してみた。比較対象は、現行のMacBook Pro 13インチモデル (Core 2 Duo 2.4GHz、NVIDIA GeForce 320M搭載)である。
その結果、下の表のように、ほぼCPUクロック数の差がそのまま反映された形になった。セカンドマシンとして使うことを前提としたMacBook Airで動画エンコードなどをすることは少ないと思うが、実際のパフォーマンスの参考として活用してほしい。
ベンチマーク表
QuickTime X H.264エンコード | MacBook Pro 13インチ Core 2 Duo (2.4GHz) | MacBook Air 11インチ Core 2 Duo (1.4GHz) |
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Apple TV向けファイルへの変換時間 | 7分2秒54 | 12分19秒52 |
iPhone向けファイルへの変換時間 | 4分4秒74 | 6分56秒73 |
HD 720pへの変換時間 | 9分15秒46 | 16分34秒30 |
※ソースは1,920×1,080ドットでH.264/AAC形式、再生時間4:10の映像を使用。Apple TV向けファイルの解像度は960×540ドット、iPhone向けファイルは640×360ドット、HD 720pは1,280×20ピクセルで、いずれもビデオコーデックはH.264。