田中専務は、「auらしさを、時間をかけて検討してきた」という。au Design Projectやiidaに代表されるデザイン、業界初の学割やダブル定額といった先進的な料金プラン、音楽配信のLISMO!、au Smart Sportsといった新たなライフスタイルの提案――田中専務はそういった点をこれまでの「auらしさ」とした上で、今後のキーワードとして「auらしさはワクワク感」を掲げる。

過去のauらしさの象徴的なサービスなど

ワクワク感をキーワードに本気のau、こだわりのauを示したいという

もともとauはGoogleとの連携を続けており、Androidにも注力していく

さらに新たな通信技術として、既存のEV-DO Rev.Aの拡張版である「EVDOマルチキャリア」を導入。その結果、EV-DO Rev.Aの最大3倍速となる下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsを実現する。サービス名としては「WIN HIGH SPEED」

そのベースとなるのはスマートフォンだ。コンシューマ事業本部サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏は、「当面Android(搭載端末)を提供していく」考えを示し、新機種としてさらに4機種を用意。「本格的なスマートフォンの展開を行う」(増田氏)と強調する。

従来の携帯で使われてきた機能をスマートフォンに盛り込んでいく

11月下旬のIS03を皮切りに、12月下旬に「SIRIUSα IS06」(Pantech製)、2月ごろに「REGZA Phone IS04」(東芝製)、「IS05」(シャープ製)を発売。その後、タブレット端末の「SMT-i9100」(Samsung Electronics製)を提供する。このうちIS03、IS04、IS05は、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信といった日本固有の機能を搭載。スマートフォン普及のためには、「(日本の携帯で)当たり前の機能を当たり前の形で搭載する」(増田氏)ことが必要と判断した。さらにIS04は防水性能も備え、「全部入り」のスマートフォンに仕上げた。

同じOSを利用し、スペックが似通ったスマートフォンに対しては、「ルックアンドフィールに徹底的にこだわった物作り」(同)で差別化する考えで、IS01から使われているOcean ObservationsデザインによるUIを採用。Pantechの独自UIを除きSMT-i9100を含めてUIを共通化。モリサワのフォントを導入して日本語の見やすさにもこだわり、他社のAndroid端末との違いを強調する。

さらに、アプリによってUIを一度に変更できる「きせかえTouch」を提供することで、ユーザーがUIを変更する機能も実現する。

がらりとUIをカスタマイズできるきせかえTouch。きせかえアプリを無償提供し、コンテンツを購入して実行するとUIが変更される

おサイフケータイやワンセグのようなハードウェアだけでなく、従来の携帯で使われてきたソフトウェアもAndroid対応を進め、音楽配信のLISMO!、ナビサービス「au oneナビウォーク」「au one助手席ナビ」、ニュース配信の「au oneニュースEX」、au Smart Sports」などをIS03の発売に合わせて提供していく予定。

通常の携帯向けにはBCMCS技術を使って配信されるEZニュースEXは、スマートフォン版では定期的にコンテンツを取得する形になる

音楽アプリのLISMO Player。楽曲購入は各音楽配信サイトのアプリから行い、購入した楽曲を一元的に管理できる。PC用ソフトのLISMO Portも12月中にバージョンアップし、Android端末との楽曲転送もサポートする。これまで通常の携帯向けに着うたフルとして購入していた楽曲も、新バージョンのLISMO Portを使ってAndroid端末に転送できる

アプリ配信のau oneマーケットに関しても拡充し、人気アプリベスト50などのコンテンツに加え、10年度末までに1,800タイトルをラインナップするなど、初めての人でも、従来の携帯と同様の環境で利用できるような環境を作り上げていく。