通常、スキャナというとPCと接続して使うことを前提としているが、このN-TRANSFERとEvernoteを併用すると、PCがなくてもスキャンしたデータを活用できるようになる。普段は別の部屋でPCの隣に鎮座しているスキャナをリビングに設置し、雑誌や新聞の切り抜きを手早くスキャンして、それをiPadのEvernoteで見る、といった使い方もできるようになる。

雑誌のレシピやテレビのレシピを手書きメモして取り込めば、それをiPhoneで見ながら買い物をして、iPadで見ながら料理を作る、といった作業もPCレスで行えるわけだ。家計簿に付けるレシートやクレジットカードの明細、さまざまな紙を次々と取り込んでおけば、あとで探し回るといったこともなくなる。

細かな設定ができないとはいえ、とにかくひたすら取り込めば、勝手にインターネット上にデータベースが作り上げられるので、とにかく何でも取り込めばあとで再活用も容易だ。すぐには使わないようなデータでも、スペースを気にする必要もないし、場所をとるわけでもないので、どんどん保存していける。必要になればEvernoteの強力な検索機能を利用できるので、この辺りはインターネットのサービスを利用した強みといえるだろう。

N-TRANSFER単体で使うような製品ではなく、スキャナとEvernoteの2つを組み合わせる必要があるので敷居は低くはないが、逆に言うとスキャナとEvernoteにN-TRANSFERを組み合わせるだけで、PCを使わなくても、いちいちスキャナをつながなくても、そのまま紙の書類を電子化できて、それをすぐにiPhoneなどで見ることができるのだ。

もちろん、スキャナをPCにつないで使えば同じことはできるわけだが、スキャナをPCがないような場所においても、そのまま使うことができるのが大きなポイントだろう。スキャナがPCの横になくても、取り込んだデータをそのままインターネットにアップロードできる手軽さはなかなかクセになる。

PCをいちいち立ち上げる必要もなく、出かける間際にちょっと紙をセットしてスキャンボタンを押すだけで、そのまま出先でiPhoneのEvernoteアプリを立ち上げれば、さっき取り込んだデータが見られるという、現実とクラウドのシームレスな連携ができるのはかなり便利だ。