パナソニック「DMC-LX5」は、開放値の明るいワイドズームを搭載したコンパクトデジカメだ。2008年発売の「DMC-LX3」の後継機にあたり、CCDのサイズと画素数を維持しながら、ズームの倍率アップと操作性の改良、機能の追加などを実現。そのレビューをお伝えしよう。
前作DMC-LX3は愛好家層を中心に人気を得た。その理由は当時では希少な開放値の明るいワイドズームを備えることと、マニュアル撮影をはじめとする多彩な機能をコンパクトボディにまとめたこと。1/1.63型で有効1010万画素という画素数を抑えたCCDのスペックも、画質にこだわるマニアには好評だった。
そんなDMC-LX3が約2年ぶりにモデルチェンジして、どう変わったのか。結論を先に言うと、画質の大幅な向上や目を引く新機能はないものの、使い勝手は確実に向上し、凝った撮影ができる小さなカメラとしての完成度がいっそう高まっている。
ズーム倍率アップと手ブレ補正の強化
スペック上の最も大きな改良はレンズを変更したこと。DMC-LX5の新レンズは、開放値F2~3.3で焦点距離24~90mm相当の光学3.8倍ズームである。前作DMC-LX3の開放値F2~2.8で焦点距離24~60mm相当の光学2.5倍ズームに比べると、明るさはそのままで、テレ側の焦点距離が伸びている。
たとえば人物をアップで撮る際などは、DMC-LX3の60mm相当ではちょっと物足りなく感じることが多いので、長焦点化はうれしい進化だ。それでいてレンズやボディの大きさはほとんど変わってない。本体重量は265gから271gへと、わずか6g増にとどまる。レンズキャップは従来同様、着脱式のものが付属する。この点は、オートレンズバリアに慣れていると少々面倒に思えるが、ボディが大型化するよりはいいだろう。
初代機DMC-LX1からの特徴であるレンズ側面の、アスペクト切換スイッチとフォーカス切換スイッチはDMC-LX5にも受け継いでいる。アスペクト比は、4:3、3:2、16:9に加えて1:1をスイッチ操作で選択可能になった(DMC-LX3の1:1はメニュー画面からの選択だった)。
光学式手ブレ補正は、ブラッシュアップした新型「POWER O.I.S.」を搭載する。これまでの小刻みな揺れだけでなく、大きくゆっくりした揺れに対する補正精度を高めているという。