ネットジャパンは、パーティションニングツールの新バージョンとなるPowerX Partition Manager 11 Pro(以下、Partition Manager 11)のダウンロード版の販売を9月9日から開始。パッケージ版の販売を9月23日より行う。新バージョンは、2007年11月以来のバージョンアップとなり、Windows 7(32/64ビット)への対応はもちろん、多くの新機能が追加された。本稿では、これらを試してみることにする。以下におもな新機能やシステム要件をまとめてみた。
- Windows 7に対応
- 64ビットOSに対応
- HDD/パーティションのバックアップ/復元が可能
- GPT(GUID Partition Table)ドライブに対応
- Windows PE 3.0ベースのリカバリメディア
- USBメモリからリカバリ環境を起動
- Linux Ext4 FS/Apple HFS(HFS+)に対応
- Intel Mac対応
- エクスプレスランチャーを実装
- 複数のOSの起動を管理するBoot Managerの最新版が付属
- SSD(Solid State Drive)に対応
- 複数のホットバックアップエンジンを搭載
- 操作ログの表示が可能
システム要件は以下の通りである。
- CPU:300MHz以上のCPU
- OS:7、Vista(32/64 bit版の各エディション)、XP Pro/Home SP3、XP Pro x64 SP2、2000 Pro SP4
- RAM:7/Vista:512MB以上(1GB以上を推奨)、XP/2000:256MB以上(512MB以上を推奨)。リカバリメディアからの起動時は512MB以上
- HDD:460MB以上の空き領域
サポートするファイルシステムはNTFS、FAT16、FAT32で、Linux Ext4FSやApple HFS(HFS+)などもサポートするが、一部の操作に機能制限がある。販売価格は、ダウンロード版が5,460円、パッケージ版が8,190円(税込)。またダウンロード版には複数ライセンス版も用意されている。詳しいシステム要件などと合わせ、ネットジャパンのWebページを参照してほしい。なお、体験版も公開されており、こちらからダウンロードできる。
パーティショニングツールとは
パーティショニングツールとは、HDDのパーティションを操作するためのツールである。近年、HDDの大容量化が進み、OSのインストール後にHDDをいくつかのパーティションに分割したい(データ領域を別パーティションに配置することで、安全性が向上する)、別のOSをインストールしたい、といった要望も少なくない。パーティションの作成は、OSのインストール時に行うことが多いがパーティショニングツールがなければ、OSの再インストールからやり直す必要があるかもしれないし、逆に複数のパーティションに分け、複数のOSをインストールし、そのうちの1つが不要になった場合などには、OSのアンインストール後に他のパーティションと結合したいということもあるだろう。さらには、パーティションサイズの変更なども必要になる場合がある。
これらのパーティション操作は、Vista以降の管理ツール使うことで、多少の操作は可能であった。しかし、その操作には制限も多く、自由にパーティションを操作することはできない。そこで登場するのが、Partition Manager 11である。Partition Manager 11では、使用中のHDDに対し、既存のデータを保存した状態で、以下の操作を行うことができる。
- パーティションの作成/サイズ変更/移動/コピー/結合/空き領域の再配置/ファイルシステムの変換
- パーティションのフォーマット/削除
- HDDコピー機能を使用して、OSも含んだHDDの内容を丸ごと新しいHDDに移行
- 不用意に削除したパーティションを検出し、復元
Partition Manager 11は、パーティションへの基本操作を強力に行うことができるのである。さらには、以下の機能を持つ。
- システムが起動しない場合、リカバリメディアから起動し復元(光学メディア以外にUSBメモリに対応)
- PowerX Boot Managerで、マルチブート環境を構築
パーティション操作では操作を誤ると、起動不能に至ることも考えられなくない。Partition Manager 11の新機能の復元機能は、このような事態にも対処でき、安全性も高い。PowerX Boot Managerは、Windows OSを1つのHDDに複数インストールすることができる。パーティションニングツールとして充実した基本機能だけではなく、安全性や利便性にも配慮されているのだ。Partition Manager 11にはエクスプレスランチャーという、ウィザードを起動できる機能も追加された(図2)。
この機能を使うことで、基本的な操作はほぼ可能といってもよいであろう。
まずはバックアップ
Partition Manager 11は「安全」にパーティション操作ができると記したが、やはりバックアップをとっておくにこしたことはない。新機能のバックアップ機能で、まずはHDD全体のバックアップを行おう。図3の左の[バックアップ操作]、もしくはメニューの[ウィザード]から[ディスクまたはパーティションのバックアップ]を選択する。
バックアップウィザードが起動する。ウィザード形式なので、指示に従うだけでバックアップが可能であるが、簡単にその手順を紹介しよう。まずは、バックアップ対象の選択である(図4)。
チェックを入れることで、HDDやパーティションを選択する。次に、保存場所の選択をし、さらにフォルダなどを指定する(図5)。
同時に、アーカイブ名も指定する。次に、必要に応じてアーカイブの説明を入れる。完了するとバックアップの設定内容が表示されるので確認をし、ウィザードが完了させる。この時点ではバックアップは行われない。[完了]をクリックし、Partition Manager 11に戻ると、タスクバーの[適用]と[破棄]がアクティブになっており、右下には「保留中の操作があります」と表示される(図6)。
パーティション操作では、誤ると問題が起きかねない。そこで、再度の確認を行うのだ(ほとんどの操作で行われる)。[適用]をクリックすると、バックアップが始まる(図7)。