バイク経験ゼロでも頑張ります!
坂井宏朱(さかい ひろみ):1984年2月25日生まれ。26歳。石川県出身。身長157.5cm、体重58.8Kg(願書提出時データ)。法政大学卒業後、JTB法人東京に入社。オートレース選手養成所への入所にあわせ同社退社。趣味は旅行、特技にツアーコンダクター。好きな食べ物は肉、いも、米 |
佐藤とは対照的なのが、坂井宏朱。会社員だった坂井は、チアリーディング3年とクラシックバレエ歴15年の持ち主だが、これまでバイク経験は一度もない。
そんな彼女の人生を変えたのは、友人に連れられて、オートレースを初観戦した日から。2008年12月31日、2万3000人超のオーディエンスで埋め尽くされた川口オートレース場。その日に行われた最高峰のレース、SGスーパースター王座決定戦を見て、「ヒトメボレでした」(坂井)。
以降、オートレースにどっぷりと浸かってしまう。週末の土日はオートレース観戦にあて、仕事をしていてもレースの行方が気になって仕方がなかった。いつしか、車券を買う立場から、バイクに乗ってみたいという気持ちに変わっていった。
今春に行われた2次選考に向けては、ランニングや筋力トレーニング、夜はスープ一杯で済ませ食事制限をするなど、約半年で13キロ減量した。オートレーサーになることに、両親からは猛烈に反対されたというが、選手になりたい気持ちにブレはなかった。彼女の熱意を理解してもらえた今は両親も応援してくれているという。
入所式を終えて坂井は「やっとスタートラインに立てました。女性選手はダメだ、というイメージを持たれることはのないように結果を出して選手として頑張っていきたい」と抱負を語る。
みんなが注目しています
女子候補生の誕生は内外ともに関心は高く、入所式に集まった報道陣の数は例年以上だという。関係者によると、元SMAPの森且行選手、ロードレース世界選手権(WGP)の125CCクラスのチャンピオン、青木治親選手並の注目度とのこと。ロードレースで世界を舞台に活躍する青山周平候補生などがいたこともあるが、メディアの関心は女子候補生に集中していた。
入所式を訪れたベテランの梅内幹雄選手も「現代のオートレースに女性選手がどれだけ通用するかは未知数ですが、オートレースを盛り上げてくれるのではと強く期待しています」と話す。
果たして彼女たちはデビュー戦を有終の美で飾れるのか、レーサーとして活躍できるのか。業界の内外が注目する彼女たちの挑戦は始まったばかりだ。……つづきを読む