新しい「PIXUS」シリーズに共通する特長として、黒を基調にしたエレガントなデザインと静電センサー方式の操作キーによる直感的な操作性が上げられる。このあたりの印象は、売れ筋モデル「MG6130」のレビュー記事で取り上げているので、そちらもぜひ参考にしてほしい。
本機を使ってみて便利だと感じたのは、複合機ならではのユニークな機能だ。たとえば、「かんたん・楽しい手書きナビ」。これは、いったん写真を薄く印刷し、その上に文字やイラストを描き込んでスキャンすることで、パソコンを使わなくても写真に手書き文字やイラストを合成できる機能。従来モデルの「MP990」にも搭載されていたが、本機では操作部のユーザーインターフェースが刷新されたおかげもあり、これまで以上に快適にフォトレターを作成できるようになっている。また、文字につけられる縁取りのバリエーションも増え、より個性的な手書き文字を描くことができるようにもなった。来年の年賀状づくりには、大いに重宝しそうだ。
「かんたん・楽しい手書きナビ」でプリントしているところ。液晶画面の指示にしたがって写真やフレーム、イラストなどを選択したあと、手書きナビシートをプリントする。そのシートに文字やイラストを描き込んだあと、スキャナの原稿台にセットして操作を続けると、写真にフレームや文字などを合成してプリントできる |
パソコンと連携してできることが増えたのもポイント。たとえば、付属ソフト「Easy-PhotoPrint EX」では、フォト共有サイトの「flickr」にアップされている写真素材を簡単に活用できるようになった。わざわざWebブラウザからダウンロードしなくても、直接ソフトの画面で画像を選んでレイアウトし、プリントすることができる。
付属ソフト「Easy-PhotoPrint EX」の画像選択画面。フォト共有サイトの「flickr」にアップされている写真素材を直接レイアウトに取り込んだりして活用できるようになった |
付属ソフト「Solution Menu EX」の画面。プリントやスキャンなど、用途に合わせてアイコンをクリックするだけで、目的の処理が行える |
また、デジタルカメラで撮った動画から画像を切り出して、ノイズリダクションや解像感アップなどの画像補正を行い、フォトプリントできる「フルHD動画プリント」機能も搭載された。対応するのがキヤノン製のデジタルカメラ(動画ファイル形式はMOV)に限られるのが残念だが、フルHD画質の動画なら、はがきサイズくらいまでは十分鑑賞に堪える画質でプリントできるはずだ。
このほか、「フォトプリント予約機能」が搭載されたのもうれしい改善点。これは、PCを介さずダイレクトプリントする際に、複数の写真をストレスなく連続印刷できる機能。プリントが終了するまで待たなくても、プリント中に次のプリントの指示を行うことができる。旅先で撮影した写真を焼き増しして友達に配る際などには、とくに役立つに違いない。