新「PIXUS」シリーズのラインアップは、スキャナやコピー機能を搭載したオールインワンの複合機と、単機能プリンタの2ラインに分けられる。そのうち複合機の最上位モデルとなるのが本機「PIXUS MG8130」だ。

下位モデルよりも一回り大きい3.5型液晶ディスプレイを搭載している

フラグシップモデルらしく、搭載する機能は非常に豊富。プリンタやスキャナ、コピー機能はもちろん、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANや10BASE-T/100BASE-TX対応の有線LAN、CF/SD/MS Duoに対応したカードスロットなども標準で装備する。内蔵ディスプレイは、下位モデルよりも一回り大きい3.5型液晶パネルを採用している。

プリンタ部の出力解像度は最高9,600×2,400dpiで、染料系のCMYK4色にグレーと顔料系ブラックを加えた6色インクを搭載。従来通り全色独立インクタンクシステムを採用しているため、色がなくなったインクカートリッジのみを交換でき、経済的にも優しい。また、プリントヘッドのノズル数が多いこともあり、プリント速度が速いのもポイント。A4フチなしで写真プリントする際には、とくにそのスピードを実感する。

スキャン部は、イメージセンサーに光学解像度4,800×4,800dpiのCCDを採用。しかも35mmフィルムのスキャニングにも対応する(フィルム読み取り時の解像度は4,800×9,600dpi)。ちなみに、今回発表された新「PIXUS」のうち、CCDを搭載しているのは本機のみで、下位モデルはすべてCISを採用している。CISに比べてCCDは凹凸や奥行きのある原稿に強く、スキャン速度や画質面でも有利という特長がある。その分構造が複雑で大型化しやすいが、本機の場合はスキャナ以外はほぼ同じ性能の「MG6130」と比べても、奥行きで24mm、高さで26mm程度の増加にとどまっている。

光学解像度4,800×4,800dpiのCCDを採用したスキャナを内蔵する。CCDは凹凸や奥行きのある原稿に強いため、このように冊子やノートのノド(綴じ部分)が浮き上がっている部分でも、比較的きれいに読み取れる

スキャナの原稿台に35mmネガフィルムをセットしたところ。フィルム読み取り時の解像度は4,800×9,600dpiと高精細だ

なお、フィルムスキャンはスリーブの場合最大6コマ、マウントの場合は最大4コマ連続でスキャニングすることができる。実際に35mmのネガフィルムをスキャンしてみたが、L判やハガキにプリントするには十分な品質だった。フィルムの状態がよければ、A4サイズでも十分鑑賞に堪えるだろう。

機能的には、フィルムスキャナー単体の製品に比べてできることは少ないが、その分気軽にスキャンできるのは好印象。とくに、フィルムを原稿台に置いて用紙をセットし、コピーする感覚で写真を焼き増しできるのは便利だ。