「EP-803A」のカタログスペックを見てみると、プリント最高解像度は5,760×1,440dpi、インクが6色独立、スキャン最高解像度が2,400×4,800dpiというのは、実は前モデル「EP-802A」とまったく変わらない。使用するインクカートリッジも同じ50番台のもので、唯一違うのが新しくラインアップさた小容量インクの51番台を併用可能だという点だ。
例えば、6色のカートリッジセット「IC6CL50」(5,980円)を使ってL判を1枚印刷すると、そのコストは約20.8円。これに対して、小容量カートリッジセット「IC6CL51」(3,490円)を使った場合は、約26.7円となる。従って、通常はこれまでと同じ「IC6CL50」を利用したほうが得になるが、当面の印刷枚数がそれほど多くなく、その後長期間利用しないような場合などには、小容量インクで凌ぐのもよいだろう。要するにケースバイケースで使い分けができるというわけだ。ちなみに、標準画質で一般的な年賀状を印刷すると、「IC6CL50」は500枚程度、「IC6CL51」では200枚程度の印刷が行えるという。なお、この小容量カートリッジはこの秋モデルからの対応となり、2009年以前に販売された機種では利用できないので、購入時には間違えないようにしていただきたい。
性能面で劇的な変化がないのは寂しい限りだが、そのぶん使いやすさと快適さの向上を図ったということなのだろう。操作性の面では、操作できるボタンのみが光る"カンタンLEDナビ"を採用しており、また一日に消費する電力量を従来機と比べ約7.5%削減したという。
液晶モニタ(2.5型)の左右に備えたボタンは、一見すると凹凸がなくフラット。LEDが光ったときにタッチすることで、初めてボタンとして機能する。これが"カンタンLEDナビ"のシステムだ。LEDは明るい場所でもシッカリと確認できるほか、暗い場所では抜群の視認性となるだろう。基本的に2.5型の液晶モニタを確認しながら操作するわけだが、従来のボタンと比べてもLEDナビボタンのレスポンスはよく、操作に不満はない。
昨今の事情を考えると、2.5型のモニタというと小さく感じてしまうが、視認性という面では十分に優秀であり、メモリーカードに収録した写真データを呼び出して表示させてみても、きちんと細部まで確認できる。拡大機能もあるので、写真を見るという事に関して問題はなさそうだ。また、操作時のナビゲーションとしての役割では、見やすいフォントとわかりやすいレイアウトを採用しているおかげで、これもまた視認性という点で不満はない。そういった意味で操作インタフェースは良好といえそうだ。