さすがに全自動だけでは撮れないが……
車で移動したところで再びオーロラ出現。こちらも全自動で撮影するが、今回は光が弱いようで全く写らない。いつ消えてしまうかわからないオーロラなので、「撮れなかったらどうしよう」と心臓がバクバク。周囲のプロフォトグラファーらが、「オレはシャッタースピード15でイケた」「こっちは20で試してみる」などと言っているので、とりあえず、シャッタースピードが自分で設定できるようシャッター速度優先AEにして、15秒、20秒、30秒と撮影してみた。すると、オーロラがゆらゆらと揺らめく様がきっちりと撮れた。
実は、寒冷地ではバッテリーの減りが激しいと聞き、予備のバッテリー5個(!)とバッテリー保温用と自身温め用使い捨てカイロを大量に持ってきていた。さらには、氷点下の屋外から20℃以上の室内に入った際に、結露してしまうことがあると聞き、カメラが入るサイズの「ジップロック(袋タイプ)」も用意。屋外にいる間に袋の中にカメラを入れて空気を抜き、室内に入って徐々に室温に慣らしておこうと考えたわけだ。
結論「初心者でもオーロラは撮れる」
しかしながら今回は全くバッテリーも減らず、人間自身も暑くてカイロを外してしまったのでカイロいらず。さらには現地に着けばオーロラ出現のハイテンションで「ジップロック」の存在など忘れ去ってしまい、カメラをそのままカメラバッグに入れてバス→ホテルと移動してしまったが、全く問題がなかった。ただ、同行していた人の中にはレンズに結露ができてしまった人もいるので、やはり用心したほうがいいだろう。バッテリーもそれほど荷物にはならないので、せっかくのチャンスを台無しにしないためにも予備を持っていくことをオススメする。
今回使った「EOS Kiss X4」、弊誌のレビュー記事の通り実はかなりの高機能カメラ。機械オンチの私には宝の持ち腐れ感もややあったのだが、逆に「カメラに詳しくなくてもオーロラが撮れる! 」という証拠になり、カメラ初心者や「オーロラって素人でも撮れるの? 」とお思いの読者にとってはよかったのではないだろうか。
後半はかなり撮影の話をしたが、やはり大切なのは「自分の目で見ること」。撮影に熱中する余り、「レンズ越しにしか見ていなかった」ではもったいない。しっかりと自分の目でオーロラを見て、神秘的なその様を焼き付けてほしいと思う。
取材協力: スカンジナビア政府観光局
機材協力: キヤノン