2時間後に運転再開。「はまなす」の待つ青森駅へ

八戸行の電車がようやく運転を再開したのは、小繋駅でストップしてから2時間後の20時だった。次の小鳥谷駅までは徐行運転を余儀なくされたが、その後は後続の列車との接続を図るべく、猛然と疾走する。

八戸駅に停車中の特急「つがる」。東北本線の八戸~青森間は、12月の東北新幹線延伸と同時に第3セクター化されるため、この姿も間もなく見納め

青森発札幌行の夜行客車急行「はまなす」。この日は10両以上の長い編成となっており、ブルートレインとしての風格が感じられた

その甲斐あって八戸駅で特急「つがる29号」に接続でき、青森駅には22時すぎに到着。無事に「はまなす」の発車に間に合った。

リニューアル効果!? 着席困難の自由席に座れて一安心

青森 - 札幌間を結ぶ急行「はまなす」は、全国でブルートレインの廃止が相次いだことで、夜行客車急行としては最後の存在になってしまった。

ちなみに「北海道&東日本パス」のリニューアル前は、急行料金を払わなくても自由席に乗車できたが、お盆前後ともなると凄まじい混雑を引き起こしていた。筆者自身、2年前の夏に乗車したときは座席を確保できず、朝まで立ったまま過ごした思い出がある。

2008年夏に乗車したときの「はまなす」の自由席。通路まで乗客で埋め尽くされた

「北海道&東日本パス」のリニューアルが功を奏したのか、2年前よりは空いている

今回も青森駅に着くのが大幅に遅れたため、おそらく座れないだろうと覚悟していた。だが車内に入ってみると、意外にも自由席に空きがある。窓際の席に座る男性に、「隣は空いていますか?」と尋ねると、間を置かずに「どうぞ」と返事が返ってきた。夜行列車の座席車は必ずしも快適なものではない。それでも夜通し立って過ごすのと比べれば、段違いの快適さだ。

リクライニングシートに身を埋めたところで、急行「はまなす」は青森駅を出発。これから一眠りして、目が覚めた頃には札幌に到着しているだろう……そう思いながら目を閉じた。

「はまなす」のB寝台

カーペットカーも連結

ところが深夜1時すぎ、函館駅に到着したところで急に起こされ、そこで初めて函館 - 札幌間の運転が中止されたことを知る。理由はまたしても、台風4号にともなう大雨だった。