この安定したスピードを活かしたのが「TVモード」だ。このTVモードは、別売のイーサネットコンバータ子機「WL300NE-AG」を使うことで利用できるようになる。このTVモードでは、映像配信サービス「ひかりTV」、「アクトビラ」といったストリーミングサービスでも、無線LANで安定して視聴できる。
無線LANコンバーターのWL300NE-AG |
背面にはLANポートが2つあり、テレビなどの有線LAN対応端末のケーブルを接続する。下のスイッチで無線LANの5GHz帯か2.4GHz帯の切り替えができる |
この子機「WL300NE-AG」は、5GHz帯の無線LANに対応し、さらにQoS規格「WMM(Wi-Fi Multimedia)」を使って映像を優先的に転送することで、安定した通信が可能になるという特徴を備えている。
なお、「WL300NE-AG」は7月にファームウェアをアップデートし、AIRランプの状態で、接続している無線LANアクセスポイント(親機)との電波強度を確認できる「簡易電波強度測定機能」に対応している。これにより、部屋の中で電波の届きやすい場所を探して設置することが可能になった。
WL300NE-AGを使えば、テレビなどの有線LANを無線LANに変換してワイヤレスで通信ができるようになるので、2階の寝室のテレビなど、有線LANケーブルを引き延ばすのが難しいような場所の有線LAN機器を無線LAN化できるメリットがある。NEC側では、「ひかりTV」、「アクトビラ」の無線LAN利用を動作確認済みとしており、安心して利用することができるだろう。
同様に、PCに保存した動画ファイルをテレビで再生するような場合にも便利な機能が搭載されている。WR8700Nの本体にはUSBポートが用意されており、ここにUSB接続のHDDやUSBメモリを装着。WR8700Nは簡易NAS機能を備えており、接続したUSB機器に保存された画像や映像、音楽などのデータをLAN環境内のほかのマシンから利用することができるようになる。
さらに、DLNA対応のメディアサーバ機能を搭載。DLNAに対応したTVであれば、保存されているメディアファイルをそのまま再生することも可能。対応するメディアファイルは、JPEG/PNGの画像ファイル、MP3/MP4/WMAなどの音楽ファイル、MPEG-2/WMV/MP4といった動画ファイルの再生をサポートする。iTunesで使われるM4A、カメラで撮影されることが多いAVCHD/MOV、YouTubeのFLVといったファイルをサポートしないのは残念な部分だが、手軽にDLNAサーバーとして利用できるようになる。ただし、もちろんTVなどで再生できる形式である必要がある。
画像や動画をWR8700NにつないだUSBドライブに保存しておけば、LAN内のほかのPCからも簡単に接続できるだけでなく、TVからも簡単に閲覧できる。利用時には、接続したUSBドライブに「contents」フォルダを作成し、そこにファイルを保存するだけでいい。フォルダは認識されず、アクセスできるのは1,000件までだ。
ただし、Windows Media Player 11、iPad上のMedia Link Player Lite、Android端末上のAndroMote、東芝のテレビ「REGZA 37Z9000」でテストしたところ、対応するファイル形式でも見られないファイルもあった。