「頑張りすぎない旅」の提案

旅先で思うことがある。「日本人は旅行中も"一生懸命"活動する」と。ガイドブック片手に必死に観光地やグルメスポットをまわる日本人を海外でもよく見かけるし、添乗員同行のツアーでもみっちりと詰まったスケジュールをひたすらこなしていくノルマ達成ツアーのようなものもある。せっかくの休暇とそれなりの費用をかけての旅行だ。色々と見てまわりたい気持ちも十分理解できるのだが、たまにはゆったりとした旅で気持ちも身体も休ませてあげるのもいいんじゃないだろうか。

熱帯雨林や山々といった大自然に囲まれたリゾートが「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」だ

滞在型の旅――。日ごろの疲れをリセットするべく、都会の喧騒から逃れ、ひたすらリゾートでくつろぐ旅はいかがだろうか。そこでご紹介したいのがインドネシア・ジャワ島にある「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」。インドネシアの古都で、ジャワ島中央部に位置するジョグジャカルタの空港から車で2時間ほどの場所にあるウェルネスリゾートだ。3,000m級のメラピ火山やアンドン山を望む標高900mの高地にあり、敷地面積はなんと東京ドーム約5個分に相当する22ha。広大な敷地の中には24つのヴィラが点在している。

「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」へのアクセス

「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」へはガルーダ・インドネシア航空が便利。
同リゾートに近いジョグジャカルタ空港へは、東京・名古屋・大阪発デンパサール(バリ)行きの便を利用したバリ経由に加え、9月1日就航の成田 - ジャカルタ便を利用したジャカルタ経由で入る方法がある。デンパサールへは各都市から7~8時間、ジャカルタへは約8時間。そこからインドネシア国内線利用で、いずれも1時間程度で到着する。
ジョグジャカルタ空港ではスタッフが出迎えてくれ、専用の送迎車で目的地へと迎えてスムーズ。


ガルーダ・インドネシア航空

機内入国審査イメージ

インドネシア国営の航空会社。世界15カ国(共同運航便含む)、インドネシア国内主要28都市を結んでいる。
日本就航は1962年で、2010年秋より日本路線には日本人フライトアテンダントが乗務。また、東京・大阪発便では機内入国審査プログラムを実施。インドネシア到着後は専用ブースから待つことなく入国できる。

A330-200型機エグゼクティブクラス(写真左)とエコノミークラス

成田 - ジャカルタ便に使用されるA330-200型機

「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」のツアー・宿泊プラン

ホワイト・ベアーファミリーでは、ジャワ島・バリ島のパッケージツアーやオプショナルツアーを販売する専門サイト「バリ島旅行チャンネル」を展開。同サイト特集ページでは「ロサリ・スパ・リトリート & コーヒープランテーション」のパッケージツアーや宿泊申込も可能となっている。

私たちが到着したのは22時頃。高地なので日が沈むと涼しく快適で、聞こえるのは虫の鳴き声のみ。思わずひそひそ声で話してしまうくらいの静けさだ。レセプションとして使用されている建物は実際に使われていた1863年築の駅舎で、ジュパラ県マヨンから移築されたもの。ここでチェックインを済ませ、スタッフに案内されてヴィラへ。ヴィラは伝統的なジャワの建築スタイルだが、必要な設備は一通り整っており非常に快適。日本が堪能なスタッフもいるので安心だ。この日は旅の疲れを取るため、早々に眠りについた。

1863年築の駅舎を移築して使用しているレセプション。昼間に見るとこんな感じ

19世紀初頭に設立されたコーヒー農園が広がる

鳥の鳴き声で目が覚める。朝夕は特に湿度が高いようで、夜露がポタリポタリと落ちる音も聞こえる。ヴィラを出ると、昨晩は見えなかった景色が広がっている。雄大な姿で見る者を圧倒するメラピ山やアンドン山。その手前には木々が生い茂る熱帯雨林が広がっている。メラピ山からは今も噴煙が立ち上っており、原始時代にでもタイムスリップしたような不思議な感覚に陥る。

見よ、この絶景。プールの向こう側に熱帯雨林とメラピ山が見える。その隣には休火山のアンドン山も

高地ゆえに見晴らしがよく、日本では見ることのできないような絶景に見入っているうち、時が経つのも忘れてしまっていた。そう、これこそが"くつろぎの旅"の醍醐味なのである。やりたいときにやりたいことをするという、ワガママな自由がここでは可能なのだ。

ここからは、そんな"贅沢"を叶えてくれる同リゾートの施設を紹介していくとしよう。まずはリゾート名にもある「コーヒープランテーション」。同リゾートの歴史を語る上でも欠かせない存在のコーヒー農園は施設内にあり、22haの敷地のうち約半分を占めている。

こちらが白くて可憐なコーヒーの花(カネフォラ種ロブスタ)

同リゾートの歴史は、オランダ統治時代に遡る。19世紀初頭には同リゾートのある場所にコーヒー農園が設立され、その後、約1世紀に渡ってコーヒー栽培が行われていった。その後、第2次世界大戦が始まる頃には栽培事業から撤退、農園は管理されぬまま放置されるようになった。そして約半世紀を経て大幅に手が加えられ、リゾートホテルとして生まれ変わった。そんな経緯があって、同リゾートにとってコーヒー農園は切っても切り離せない存在。皆さんにお伝えしたい魅力も多いことから、詳細は後日別記事でご紹介するとしよう。

敷地の約半分を占めるコーヒープランテーション

ここにもオランダ統治時代の名残が。ザ・クラブハウスは、1800年代にコーヒープランテーションのマンションとして使われていたものを復元。16時~18時はアフタヌーンティーをサービス