「M-1グランプリ」決勝に8年連続で出場を果たし、昨年は"鳥人"ネタで前代未聞の"100点満点"を叩き出した笑い飯。そんな彼らの結成10年目を記念した書籍『笑い飯全一冊』(ヨシモトブックス刊)が発売された。私生活や生い立ち、お笑いファンを惹きつけてやまない発想そのものにまでメスを入れ、2人の魅力を探る本書について、また、今春の東京進出、今年がついにラストイヤーとなる「M-1」について、笑い飯の西田と哲夫に話を聞いた。

笑い飯
西田●1974年5月28日生まれ、哲夫●1974年12月25日生まれ、ともに奈良県出身。2000年7月コンビ結成。8月23日(月)大阪・ABCホール、9月13日(月)東京・ルミネtheよしもとで単独ライブを開催する

――『笑い飯全一冊』では、お2人それぞれにお話を聞いた1万2000字のロングインタビューがまず圧巻ですね。

哲夫 : 「ここまで長いインタビューは初めてじゃないですかね」

西田 : 「子どものときってどんなんでしたか? みたいな感じで始まって、学生時代とかコンビを組んだいきさつとか、今に到るまでのことをかなり話しましたね」

哲夫 : 「そうそう。なんでそんな人間になったんですか? という。僕は…こんなこと言うたらなんですけど、オ○ニーのことを盛りだくさんにお話しさせてもらいました。男子の場合、オ○ニーのやり方によって人間形成がなされてるってとこありますからね。そこは洗いざらい(笑)」

――なるほど(笑)。そういったバックボーンに触れる部分では、本の中でそれぞれにご自宅を公開されてますね

西田 : 「僕は奈良の実家ですね。まず、部屋の本棚とか家のガレージを。ガレージにじいちゃんが日曜大工で使ってた工具が一式あるんですけど、それで僕は学生時代、鎖帷子を作って学校に着て行ってたんですね」

――『アメトーーク』(テレビ朝日系)の「中学の時イケてないグループに属していた芸人」で公開されていたあれですね。

西田 : 「そうです。それを作った工具類とともに、鎖帷子の制作過程を写真で載せてます。現場写真みたいな感じで。

――実家の部屋は、西田さんがいたときのままなんですか?

西田 : 「すでに母親のくつろぎルームみたいになってたんですけど、本棚とか壁に貼ったポスターとかもそのままで。でも、エッチなものはすべて処分されてましたけどね(笑)」

――哲夫さんが公開されているのは、現在のご自宅ですね。

哲夫 : 「大阪で借りてる部屋で、僕の節約生活を公開するという。たとえばシャワーって、最初は水が出て、しばらくしてから湯になりますよね。その水を捨てるのがもったいないんで、どのように活用するか。湯になるまでの時間ももったいないんで、そのときにどういうことをするか。ムダの一切ないオススメの生活をお伝えしてます。あと、街頭で配ってるティッシュを恥じらいなく受け取るにはどうするべきかとか…」

西田 : 「本人は節約やと言うてますけど、どう考えてもケチなんですよね。ネタ合わせでファストフード行ったとき、『薬飲むから水くれ』って嘘ついて、ジュースを買わんと水だけで済ませたりであるとか、ハンバーガー100円のときに死ぬほど買って冷凍させておくであるとか」

哲夫 : 「自分ひとりでファストフード行くときは、300円以上は使わんようにしてるんですよ」

――今や、中学生でもそれ以上は使うと思いますけどね。

哲夫 : 「学生時代の方が使ってたかもしれないですね(笑)。僕の節約の定義は自分自身に返ってくるもので、ケチというのは人におごらないやつ。僕は人にめちゃめちゃ金を使うのが趣味で、自分のことに金を使わないのが楽しいんですよ。

――哲夫さんは西田さんのご実家に行ったことはありますか?

哲夫 : 「飲んだ帰りとかに寄らせてもらったことはあります。お母さんがひときわ明るい人ですね」

西田 : 「うちの母親は本にも出てきますけどね」

哲夫 : 「朝の4時か5時に家に着いたんですけど、瓶ビールをお盆に載せて持ってきてくれて、ええ人やなと(笑)。買い物に行ってたお母さんが車で帰ってくるのとすれ違ったことがあるんですけども、車の中からダブルピースしてきはって。すごく明るい人でうらやましかったですね」

西田 : 「身内やったら恥ずかしい系の明るい人ですね。地元で同窓会があったんですけど、僕は仕事で行けなかったのに母親は行ったらしいです。で、さんざん飲んで帰ったっていう(笑)」……続きを読む