『ライフ・イズ・ミラクル』(2004)

1992年、旧ユーゴスラビアのボスニア紛争下で起きた実話を基にしたコメディタッチのヒューマンドラマ。監督は『アンダーグラウンド』(1995)、『黒猫・白猫』(1998)のエミール・クストリッツァ。言わずと知れたフットボール狂。主人公の息子が名門パルチザン・べオグラードのプロサッカー選手として登場するが、時代設定から考えると監督はイビチャ・オシムのはず。ピクシーことストイコビッチ、サビチェビッチらを擁して強国と化した旧ユーゴスラビアが、内戦により分断/弱体化してしまった過程を、映画を通して知ることもできる貴重な作品。



『ブエノスアイレス』(1997)

トニー・レオンとレスリー・チャン主演によるアルゼンチンを舞台にした同性愛映画。監督はやはりフットボールオタクとして有名な『天使の涙』(1995)、『花様年華』(2000)のウォン・カーウァイ。劇中、サッカースタジアムのシーンが挿入されているが、その試合こそ、ラ・ボンボネーラ・スタジアムでのブエノスアイレスダービーマッチ「ボカ・ジュニオルス VS リバープレート」。ちなみに、撮影中、ウォン・カーウァイがマラドーナにこっそり会っていたのも有名な噂。カエターノ・ヴェローゾ、ピアソラ、フランク・ザッパ等によるサントラも必聴。



『そして人生はつづく』(1991)

1990年、大地震に見舞われたイランを舞台にした本作は、アッパス・キアロスタミ監督による"ジグザグ3部作"の2作目。この作品の前作にあたる『友だちのうちはどこ?』(1987)の出演者の消息を訪ね歩いた体験を再現した半ドキュメンタリー映画。90年といえばワールドカップ イタリア大会が開催された年。大地震が起きようとも、あっけらかんとフットボールの話しに夢中になり、ワールドカップ観戦を優先してしまうイランのサッカー熱が垣間みれる挿話あり。むろん、キアロスタミもフットボール好き。



『ゴールキーパーの不安』(1971)

ペーター・ハントケの小説『不安―ペナルティキックを受けるゴールキーパーの』を映画化。監督はロード・ムーヴィーの旗手ことヴィム・ベンダース。冒頭から試合中のシーンではじまるかと思いきや、いきなり主人公が退場に。その後は主人公よりも、むしろ観ているこちら側が不安になってしまうような独特のストーリーが展開。実験映画的な要素が強く、長編2作目としてその後のベンダースのスタイルを垣間みれる作品となっている。フットボール的な逸話は特にありません。あしからず。



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