今回の評価機Intel Core i7(2.66GHz)モデルは、CPU自体の性能向上や、Intel Hyper-Threading TechnologyおよびIntel Turbo Boost Technologyへの対応などにより、そのパフォーマンスは着実にアップしている。

そこでCPU性能を見るため、QuickTime Xを使って動画を変換するのにかかった時間を計測してみた。比較対象は、Intel Core 2 Duo (3.06GHz)のiMac 27インチモデルと、Intel Core 2 Duo(2.4GHz)のMacBook Pro 13インチモデル。いずれもメモリは4GBを搭載している。使用した動画は、解像度が1,080p、映像フォーマットがH.264、音声フォーマットがAAC、再生時間が4分10秒のもの。データサイズは270.5MBだ。

計測結果は、下の表のようになった。これを見ても分かるように、Intel Core i7(2.66GHz)を搭載したMacBook Proのパフォーマンスは非常に高い。Intel Core 2 Duo (3.06GHz)を搭載したiMacと比べても30%以上も高速で、実際に一般的なアプリケーションを使っていても体感できるほどサクサク動く。もともとiMacでも使っていてストレスを感じることはあまりないのだが、MacBook ProのIntel Core i7(2.66GHz)搭載モデルはさらに一段快適になっている感じだ。

QuickTime X H.264エンコード
機種 Apple TV向けファイルへの変換時間 iPhone向けファイルへの変換時間 HD 720pへの変換時間
MacBook Pro 15インチ Core i7 (2.66GHz) 4:40:09 2:28:29 5:23:20
iMac 27インチ Core 2 Duo(3.06GHz) 5:21:86 3:08:02 7:02:60
MacBook Pro 13インチ Core 2 Duo(2.4GHz) 7:02:54 4:04:74 9:15:46
※1,920×1,080/H.264/AAC、再生時間4:10の映像を使用
※Apple TV向けファイルは960×540、iPhone向けファイルの解像度は640×360、HD 720pは1,280×720で、いずれもビデオコーデックはH.264

なお、計測後にアクティビティモニタで変換時のCPU駆動状況を確認してみたところ、Intel Hyper-Threading Technologyによってタスクが計4スレッド(仮想4コア)に分散されているのを確認することができた。

アクティビティモニタの画面。Intel Hyper-Threading Technologyによってタスクが計4スレッド(仮想4コア)に分散されているのが分かる

より直感的な操作が可能になったトラックパッド

新MacBook Proの改良点の中で、地味ながら非常にうれしかったのがトラックパッドの慣性スクロールだ。これは、トラックパッド上で指を素早くすべらせた場合、指を離した後でも慣性が作用しているようにスクロールし続ける機能。iPhoneやiPad、Magic Mouseなどにも搭載されているが、MacBook Proのトラックパッドには今回初めて採用された。

慣性スクロールの設定は、システム環境設定の「トラックパッド」で行える。設定画面中央にある「2本指の操作」の「スクロール」項目で「慣性(有効)」と「慣性(無効)」を切り替えることが可能。iPhoneやiPadのようなオペレーションが好みなら「慣性(有効)」を、従来通りのスクロールが好みなら「慣性(無効)」を選べばいい。もともとMacBook Proのトラックパッドは流れるように滑らかなオペレーションが可能だったが、この機能が搭載されたことにより、さらに快適に各種操作が行えるようになった。とくにSafariなどでページをスクロールさせるときなどは重宝する。

システム環境設定の「トラックパッド」で慣性スクロールのオン/オフを切り替えることができる