――そんな中でも、YOFFYさんにとって特に思い出深い曲はどの曲になりますか?
YOFFY「思い出深いと言うより、まさか世に出るとは思わなかったのは14曲目の『Voices PSYCHIC LOVER style [HARD & HEAVY DEATH]』ですね。これは半分ジョークみたいに、ツーバスの高速メタルっぽいのをやりたいなっていう感じで作った曲なんですよ。バックのトラックもすべて打ち込みで作っていますしね。僕個人としてはすごく思い入れがあるのですが、挿入歌の宿命というか、やはりスポットライトは当たらないだろうなと思っていたんですけど……」
――曲を作る際、主題歌か挿入歌かということで、気持ちの上でのちがいはないですよね
YOFFY「どちらにも同じように力は入れますね。ただ、挿入歌のほうが、好きなことがやれるという自由度があるかもしれません」
――そういう意味では、挿入歌のほうが思い入れがあったりもしますか?
YOFFY「思い入れとはちがうかもしれませんが、本当に好きなことをしているので、曲調も非常にバラエティに富んでいると思います。みんなが思うサイキックラバーのイメージとはちがう曲もたくさんあるんじゃないかと思います」
――それでは、JOさんにとって思い出深い曲はどの曲になりますか?
IMAJO「やはり古い曲のほうが思い出深いですね。『NO NAME HEROES』のころは、全体のことなんか気にせず、とにかく詰め込むことしか考えていなかったんですよ。曲の中に、どういう風にカッコよくギターを入れようか、みたいなことばかり考えていて……。マスタリングをしながら思ったのは、とにかく昔の曲のギターが難しすぎるということですね。本当にビックリして、今度これをインストアライブでやるときには、どういう風に練習したらいいんだろうって思うぐらい(笑)。とにかく凝っているんですよ。今あらためて弾いてみると、あまり必要なかったんじゃないかと思うぐらい、詰め込まれていますね」
――やれることは全部やりたかったということでしょうか?
IMAJO「我が強かったんでしょうね。でもそれが大事だと思うんですよ。とにかく力が入っていて、120%ぐらいの力で弾いている感じですね。でもロック、そしてギターというものは、そういうところが面白くて、聴いている人も熱くなれるんじゃないかなって思います。余裕ぶっこいて弾いているのを見ても、絶対に楽しくないじゃないですか。たぶん、いっぱいいっぱいで演奏しているぐらいがちょうど良かったりするんじゃないかと思います」
――そこにはやはり若さみたいなものもありますか?
IMAJO「それもあると思います。今ならこうするなとか、そういうこともいろいろと考えますが、そのころにやっていたら、絶対に面白くなかっただろうなって思います。そのころの熱さを、今あらためて聴いてもらえるのは、けっこう面白いことだと思います」
――今回のアルバムには、JOさんがボーカルの「害悪(ガイアーク)産業革命宣言」も収録されていますね
IMAJO「実は、この曲は僕が歌うはずじゃなくて、最初は曲だけを頼まれたんですよ。『ジャイアンの歌みたいなのを作ってくれ』って。山形ユキオさんみたいな感じで歌わせたいという話だったんですね。それで曲を作ったら、マイク(スギヤマ)さんの歌詞が上がってきて、あて方がわからないというから僕が仮歌を入れてみたら、『君が歌いなよ』って……。僕が歌うとわかっていたらキーを高くするんですけど、この曲はものすごく低いんですよね。そんなことがあったりして、ボーカリストの気持ちがちょっとわかったような気がしました(笑)」
――今回収録されている曲の中で、ライブでも歌ったことがないという曲はありますか?
YOFFY「たぶんライブでは全部やっていると思いますよ、まったくやったことがないというのはないですね」
IMAJO「けっこうライブではいろいろとやっているんですよ、意外と」
YOFFY「『デカレンジャー』でブレイクする前の曲が圧倒的に多いのですが、そのころはライブにかけるレパートリーが少なかったこともあって、いろいろな曲をやっているんですよ……あ、9曲目の『あいのアラカルト Remix』はやってないですね、オムライスを作る歌なんですけど(笑)」
IMAJO「ああ、やっていないかもしれない」
YOFFY「これはオムライスを作る女の子の歌を、俺のボーカルでやったら面白いかなっていう思い付きで作った歌なんですよ(笑)」
IMAJO「『TAKE MY SOUL FOREVER』もやっていないかも……」
YOFFY「このバージョンはやってないかな……、でもそれぐらいですね」