"L"の型番を冠し、ThinkPadの新シリーズとして登場したレノボ・ジャパンのA4ノート「ThinkPad Lシリーズ」は、Core iシリーズ搭載でも低コスト、という新たなエントリークラス製品だ。オフィスで最も使われるメインストリームノートとして設計されており、しっかり仕事に役立ってくれて、少々持ち運んで使うこともできるモデルになっている。

試用機(L512)の主な仕様 [CPU] Intel Core i5-520M(2.4GHz) [チップセット] Mobile Intel HM55 Express [メモリ] 2GB [HDD] 250GB [ディスプレイ] 15.6インチワイド(1,366×768ドット) [本体サイズ] W380×D247×H32~36mm [OS] Windows 7 Professional [参考価格] 124,950円

15.6インチワイド液晶モデルにWiMAXを搭載

レノボのビジネスノートブランド「ThinkPad」に、新たなA4ノートが加わった。新シリーズとなる「ThinkPad Lシリーズ」は、CPUにCore iシリーズを搭載していながら、価格をかなり抑えているのが特徴だ。14インチ液晶を搭載した「ThinkPad L412」と、15.6インチ液晶を搭載した「ThinkPad L512」の2機種が用意されており、それぞれ細かいスペックの違うモデルが用意されている。

今回試用したのはThinkPad L512で、CPUにCore i5-M520を採用し、WiMAXを搭載したモデルだ。2GBのメモリ、250GBのHDDという、最新マシンとしては特徴のないスペックではあるが、ビジネスノートだと考えれば必要十分。光学ドライブとしてDVDマルチドライブも搭載している。

カスタマイズ次第では、ディスプレイ上部に埋め込みのウェブカメラを搭載したり、CPUにCore i5-540Mを選択することや、64bit版OSを選択することもできる。最も効果的だと思われるオプションは、9セルバッテリだ。標準で付属するのは4セルバッテリだから、出張などでバッテリー駆動時間を長く使いたいタイプのユーザーにはぜひ活用して欲しい。

WiMAXモジュールも搭載しており、すっかりモバイル環境が整っているかのように見えるが、本体のボリューム感は気軽に持ち運んで使うという感じではない。A4オールインワンということになっているが、実際の紙サイズで考えるとB4の方が近い。その割には2.57kgと軽いため、どうしても大型ノートPCを持ち運ぶ必要がある人にとっては、使いやすい製品ではある。

少し光沢があるが、外観デザインはThinkPadのおなじみのもの

デザインはおなじみのThinkPadの外観。明確に違っているのはディスプレイを開いた時だ。キーボード左右の大きく空いた場所に、ボタンとLEDランプが配置されている。左側には音声関係のボタンがあり、右側には電源ボタンとユーティリティの起動ボタン、動作状態を知らせるLEDランプが並んでいる。この手の大型ノートPCではキーボードを左に寄せ、空いた部分にテンキーを入れるスタイルが一般的だが、その配置には好みが分かれる。数字入力を多用する人にとってテンキーの存在は便利だが、ディスプレイ位置に対して文字キーが偏って配置されるため、テキスト入力がメインのユーザーにとっては微妙に使いづらくなってしまうからだ。キーボードの使い勝手や、キーから手を離さずに操作できるトラックポイントの採用など、文字入力のしやすさに定評のあるThinkPadらしい選択と言えるかもしれない。

キーボード左には、スピーカーとマイクのコントロールボタンを配置

右側には電源ボタンの他、ユーティリティを起動する「ThinkVantage」ボタンと各種インジケータを配置