観光者も参加可能な本格ワインスクール
建造物を見てまわることによって、ワインの歴史を垣間見たりするのはよいことだ。だがこのブルゴーニュの地のワインのことを知ってからのほうが、より楽しめるに違いない。そこでオススメしたいのが、ボーヌにあるブルゴーニュワイン委員会が運営するワインスクール「L’Ecole des Vins de Bourgogne(エコール・デ・ヴァン・ド・ブルゴーニュ)」。スクールといっても大学のように長期で専門的に学ぶものではないので、観光者でも気軽に受講することができるクイックチャージである。
実際1日体験をしてみたのだが、午前中はブルゴーニュワインについての基礎知識(地理、土壌、気候、ブドウ品種、栽培、収穫、醸造など)に加え、テイスティングをみっちり行う。教室の見た目は大学によくある講義室のようだが、デスクの傍らには理科の実験室かと思うような小さな流し(テイスティング時の吐器の役割果たしたり、グラス洗浄用)が設置され、テイスティングの時にワインの色を識別しやすいようにライトがデスクに内蔵されていたりと、ワインを学ぶための学校ならではの設備が整っている。
午後はランチをしながらワインと料理のマリアージュを楽しむ。近郊のブルゴーニュ伝統料理を供するレストランやビストロで行われるものだが、今回はサントネイ村のワイナリーでのランチとなった。最後はワイナリーを訪問して畑やカーヴの見学、そして造り手に質問しながらのテイスティングである。この日は以前レポートしたマランジュ村のドメーヌ・シュヴロを訪ねた。
取材時はブルゴーニュの郷土料理ジャンボンペルシエが前菜に。「サントネー・シャルム 2007」と共に |
メインはホロホロ鳥の赤ワイン煮。内臓や首肉、野菜などを赤ワインと共に煮た濃厚なソースが特徴的。「ヴォルネイ・レ・ゼシャール 2007」と |
授業は日本語版も実施
ここで大切なインフォメーションを。予約は電話もしくは公式Webサイトから行え、フランス語と英語対応。授業はというと、なんと日本語での受講が可能なのである。日常会話を英語で行えても、ワインの専門的な部分まで英語やフランス語をカバーしている人は少ないだろう。しかし、このスクールなら安心である。実は今回の旅に同行していただいた通訳兼ガイドの熊田有希子さんは、在ブルゴーニュ13年のベテランワインジャーナリストであり、この学校の講師でもある。ボーヌ市公認ツアーガイドとしての資格も持っているので、彼女に聞けばワインのみならずブルゴーニュの諸々をも教えてくれるであろう。
授業は2時間から受講できるので、午前中講義を受けて知識を得れば、午後の観光やドメーヌ訪問が一層楽しくなるというものだ。