第3四半期には「BlackBerry 6」の提供を開始

基調講演でMike Lazaridis氏は、新製品のほかに、今年第3四半期に登場する新しいオペレーティングシステムBlackBerry 6を発表した。実際にはデモビデオを公開したのみだが、ユーザーインタフェースを大きく変えたものになるとのこと。これまで地味で、どちらかというと古風な感じのするユーザーインタフェースを、画面の左右スライドによる切替操作や、メディアプレーヤーなどでのアルバムカバーの立体表示を可能にするなど、かなり大きく変更するようだ。なお、現状の最新版であるBlackBerryソフトウェア Ver.5は、前述のBold2やStromなどに搭載されている。また、今回発表されたPearl 3GやBold 9650もVer.5を採用している。

BlackBerry 6のデモビデオより。これまでは、地味な画面だったが、次バージョンでは、内蔵アプリケーションなども少し派手な表示が取り入れられるようだ。写真は、内蔵メディアプレーヤーのアルバムカバー表示

BlackBerry 6のデモでは、YouTubeアイコンやTwitterやFacebookといったソーシャルネットワーク系のアイコンも見られ、こうした最近の「はやり」に対応しているのが見て取れる。また、従来からあるアプリケーションのアイコンのデザインなども変更されているようだ。

BlackBerry 6は、次の四半期に登場予定とのこと。すでに今年は第2四半期であるので、第3四半期(7~9月)になる。RIM社は9月にDeveloper Conferenceを予定しているため、このあたりが、正式発表のターゲットなのではないかと思われる。

実は米国でのシェアは高い

スマートフォンというと、iPhoneやAndroidの話題が多いが、米国での売上げを見ると、スマートフォンとしてはBlackBerryが1番売れているという。iPhoneは米国ではAT&T1社の販売であるのに対し、BlackBerryはほとんどの事業者がBlackBerryを扱っている。またAndroidは、成長途中で、多くの事業者が取り扱いを開始したところだ。今年1~3月には、販売台数でモトローラを抜き第5位にRIM社が入ったとの調査もある。

BlackBerryは地味ながらも、スマートフォンが話題になる前から、モバイルによるメール機能などを提供しており、iPhoneやAndroidにはない、長い歴史を持つ。シェアもそう小さくないというのが実際のところなのである。

iPhoneやAndroidなどの登場により、スマートフォンカテゴリが確立しだすと、BlackBerryも、スマートフォン的な色彩を強めていく。現在、国内で販売されているBlackBerry Boldに搭載されているBlackBerry Software Ver.4でも十分スマートフォンといえるレベルだが、RIM社は、BlackBerry 6で、さらに「スマートフォン」らしさを上げようとしている印象がある。Webkitベースのブラウザを開発していたり、HTMLとJavaScriptによるアプリケーション実行環境BlackBerry Weidgetsの開発など、さらに強化を続けている。もちろん、他社の追い上げあっての動きであり、iPhoneやAndroidに抜かれぬよう、強化を続けているのである。

現時点では、BlackBerry 6の提供がどのような形になるのかは不明だが、これまでは、BlackBerry Software(オペレーティングシステム)のメジャーバージョンアップと新規ハードウェアの発表は同期しており、BlackBerry 6の登場と同時に新規ハードウェアが発表される可能性は高いと考えられる。