GSM/W-CDMA対応の「Bold 9650」
Bold2は、GSM/W-CDMAに対応したスマートフォンで、日本で販売されているBlackBerry Bold 9000の後継機種に当たる。Boldの2機種目としてBold2と略称されることもあるが、正式にはBold 9700という型番になる。
新製品のBold 9650は、9700をCDMA2000にも対応させたもの。この機種は、cdma2000(cdmaOneを含む)とGSM、W-CDMAに対応しており、世界各国で2G/3Gのほとんどをカバーできる仕様になっている。特に米国では、CDMA2000を採用した事業者があり、そのユーザーであっても、Bold 9650を使うことで、世界中でローミングサービスが利用可能となる。CDMA2000は、米国外では、日本と韓国で使われている以外はほとんど採用がなく、米国のCDMA2000を採用したVerisonやSprintといった事業者は、ローミング面で不利だった。しかし、W-CDMAにもCDMA2000にも対応したBold 9650が登場したことで、世界中どこにいっても利用が可能になった(もちろん、相手先キャリアとのローミング契約があればの話だが)。
Bold 9650。基本的なデザインは、9700と同じで、国内現行のBold 9000をベースにトラックボールを光学タッチパッドに変更している |
現在のBold 9700でも、ホワイトバージョンが用意されることも、今回の発表の1つ。もともとPearlシリーズなどはカラーバリエーションがあったが、Boldシリーズも、ホワイト、ブラックの2色展開を定着させるようだ |
W-CDMAとCDMA2000のデュアルモード機は、これまでも原理的には可能で、2005年にはSamsungが製品を販売したこともある。しかし、コスト的な問題や、回路が増え、電話機自体が大きくなってしまうという問題もあり、普及していなかった。
Bold 9650は、光学式のタッチパッドを持ち、従来機種のBold 9000よりも一回り小さくなっている。また、機械式のトラックボールから光学式タッチパッドになったことで、飛び出した部分も小さくなり、取り扱いが簡単になっている。ただし、Bold 9700が9000に比べて縦横で5mm程度コンパクトになっているのに対して、9650は縦2ミリ・横4mmしか小さくなっていない。重さもBold 9700が122gとBold 9000よりも14g軽くなったのに対して、Bold 9650は9000と同じ136gとなっている。最も、CDMA2000とW-CDMAに対応していながら、これだけしか差が出ないとも言える。
コンパクトな「Pearl 3G」
Pearl 3Gは、BlackBerryでコンパクトな筐体を持つPearlシリーズの3G対応版で、キーボードの違いにより2モデルがある。1つは、通常の携帯電話とおなじくテンキー(*と#を入れてキーの数は12個)になっているモデルで、こちらは米国の通常の携帯電話と同じく、1つのキーに3つの文字が割り当てられている。もう1つモデルは、1つのキーに2つ文字を割り当て、5列4段の20個のキーを持つ。このキーボードはCondenced QWERTYと呼ばれている。
BlackBerryというとフルキーで、長文のメッセージ入力というイメージがあるが、このPearlシリーズは、フルキーではないものの、独自の入力方式を採用し、少ないキーでも高速な文字入力を可能にしている。テンキーもCondenced QWERTYも1つのキーに複数の文字が割り当てられているが、Pearlではキーを何回も押して文字を入力していく必要はなく、書いてある文字の通りにキーを押すだけで、内部の辞書が参照されて、正しい単語を推測するようになっている。RIM社では、これを「SureType」と呼んでいる。この入力方式が採用されているため、キーの数は少なくとも、同じキーを何回も押す必要がなく、高速な文字入力が可能となる。RIM社の話では、SureTypeは、英語以外の言語にも対応が可能だという。なお、Pearl 3Gは、その名の通り、GSMとW-CDMAに対応している。また、この機種は、BlackBerryで802.11nにも対応した初めての機種でもある。