紙を電子化するメリットについて、単に管理の煩雑さから解放されるだけというのでは弱い。電子化ならではのメリットを付与するのが「Extras」(特典)の役割だといえるだろう。同特許ではさまざまなアイデアが提示されている。
コンサートチケットにおけるドリンクサービスとクーポン
ライブチケットの半券を渡すと「ドリンク1杯を無料でサービス」といったオマケがついてくることがあるが、Extrasではそうした管理も簡単だ。パンフレットやグッズ配布など、数に限りがある商品の手渡しにも有効だろう。また日本ではお馴染みのマクドナルドなどでのクーポン配布にも、このチケット配信システムを応用することが可能だ。また、駐車場の料金割引チケットにも応用できるだろう。
ライブレコーディング
本来禁止されているライブの録音(録画)を、チケット特典として提供するもの。もしiPhoneなどを持っている場合は、チケットアプリを経由してそのまま録音が可能となる。電子チケットならではの仕組みだ。
参加特典
コンサートに限らず、さまざまなイベント関連の情報配信やオマケの提供などに利用できる。例えばコンサートであれば、参加者向けの特別シングル楽曲の配信や、演奏中楽曲の歌詞配信なども可能だろう。また野球ゲームであれば、スタメン選手のプロフィールカードを参照できたりなど、ゲームをさらに楽しむための道具としてモバイルデバイスを利用できる。
WWDC 2010
特許にはコンサート以外のカンファレンスイベント参加のサンプルとして「WWDC 2010」が紹介されている。WWDC参加のチケットも電子化されており、ここでは各セッションのスケジュールや詳細情報が確認できるなど、スケジュールビルダー的な役割も果たしている。
また、ランチクーポンもこの電子チケットに含まれている。この手のイベントでの会場ゲート通過では、人手による目視確認が一般的だが、これはイベントパスを画面に表示する(偽造が簡単そうだ)、あるいはバーコードのようなものを表示してスキャンさせるといった手段を取ることになるのだろうか?