消費電力

最後に消費電力を見てみよう。GeForce GTX 480では性能とともに消費電力もかなり増加していた。ここでの結果は、価格とともにGeForce GTX 470の評価に大きく影響するだろう。

さて、以下のグラフの数値はワットチェッカーでシステム単位の消費電力を測ったもので、「ピークGT1」は3DMark VantageのExtreme設定でGame Test 1実行時のピーク、「ピークGT2」は同Game Test 2実行時のピーク、「アイドル」はOS起動後の何もしていない安定状態時の値だ。

結果だが、GTX 470の消費電力はピークでもGTX 285程度であり、アイドル時はかなりの電力削減も実現してきている。デュアルGPUカード並の消費電力となってしまっていたGTX 480を見た後だと、だいぶ扱いやすい消費電力に収まっているように見える。

GTX 285を買う理由は無くなったか

冒頭にも述べたが、今回GeForce GTX 285にはオーバークロック版カードを用いたわけだが、そうであってもGeForce GTX 470は、基本性能ではおおよそGeForce GTX 285を上回り、DirectX 11世代であるなど機能的には先端世代であり、ライバルのRadeon HD 5800シリーズと比べても見劣りしない、最新ハイエンドに相応しい製品と言えるだろう。

コンシューマ用途におけるFermiの懸念であった消費電力も、GeForce GTX 285比で優秀なレベルにまで達している。まぁ、思っていたよりもGeForce GTX 480には迫ることができなかったが、価格と消費電力のメリットを天秤にかければ、これも納得できるレベルのトレードオフに思える。

既存ゲームタイトルを遊ぶのが目的なのであれば、世代交代で格安になるGeForce GTX 285を狙うという手も悪くはないだろう。しかしながら、将来まで見据えるのであれば、特にハイエンド志向のユーザーは早々にGeForce GTX 400シリーズへ移行してしまうのが得策と言えるだろう。DirectX 11が主流となる時期は、もうすぐそこにまで来ているのだ。