世の中の30代男性の多くがそうであるように、私も既に"G-SHOCK愛好者"だ。
90年代のブームの影響も有るが、自転車での長距離ソロツーリングやマウンテンバイクによるダウンヒルなど、"汚れ系活動"を趣味とする自分には、その"何も気にしなくていい"という機能が大いに魅力で、何本か使い続けている。
中でも10年ほど前に自転車で世界一周をした際に相棒としたDW-5600は現在も現役であり、自分にとっては思い入れのある道具の一つとなっている。
それらの経験から防水性や耐衝撃性に関しては、全く疑いが無いのが私にとってのG-SHOCKという道具の存在だ。
さて、モニター商品として手元に届いたG-SHOCKの新作「MUDMAN」。
気になる機能は以下の3点だ。
まず、そのメインコンセプトでもある「防塵・防泥構造」。泥だらけになることの多い、マウンテンバイクで遊ぶ場面では有難い機能だろう。
次に、ボタンの操作性。現在使用中のDW-5600の欠点と言えるのがボタンの押しにくさである。フルフィンガーのグローブを使用するダウンヒルの場面では特に押しにくい。MUDMANは見るからに押しやすそうな大型のボタンを備えている。
三つめに、あまり前面に出ていない売り文句であるが「カバーが簡単に分解・洗浄可能」という点である。私の知る限り従来品では、液晶面とウレタンカバーの間に挟まった泥や汚れは爪楊枝で取り除くのが定番であり、個人的には一番気になる機能である。
上記3点を中心に感想報告をしたいと思う。
ちなみに、期間中マウンテンバイクによるダウンヒルで2回、トレイルライドに2回使用した。
防塵・防泥機能:
従来商品も問題のない部分なので全く心配をしていなかったのだが、やはり問題は無かった。モニター時期は冬季であり夏季ほどドロドロにはならない季節だが、ボタンなど可動範囲までフルカバーした外装カバーは安心できる。自転車で世界一周をした時に感じたことだが、機器に入り込むと厄介なのは水分よりも、細かい砂塵だった。この辺りはラリー競技をベースに開発されているので問題ないだろう。是非、次の旅の相棒にしたいと思う。
ボタンの押しやすさ:
ボタン自体は大きくてとても使いやすいのだが、ボタン配置と押しの硬さが気になった。特に配置である。START・STOPを受け持つボタンが正面から見て右下に配置されているのである(ちなみにDW-5600は右上)。人差し指で操作をしようとすると、手首を捻る必要があり押しにくい。その辺は何らかの意図があり配置されたのだろう。個人的にDW-5600に慣れすぎてしまったせいであるかもしれないが、START・STOPは右上、もしくは正面ボタンが押しやすい気がする。押しの硬さに関しては使い込んでいけば改善されるのだろうと思う。
分解性:
これはあまり期待どおりでは無かった。泥だらけになった本体の分解清掃を想定してあるのに、なぜ分解用のカバー固定をプラスネジ止めにしたのだろうか。しかも精密ドライバーを使うような小型のネジである。
本格的に泥や汚れが入り込んだ場合、プラスネジだとなめる可能性があると思うし、小型ならなおさらだ。ブラシなどでネジを綺麗に掃除してから分解すれば問題は無いのだろうが、G-SHOCKのタフなイメージと合わない。ここは六角などを使う大きめネジが妥当ではないだろうか?
そもそもここまでするのなら、従来品の分解の手間とあまり変わらない気がする。また、説明書に分解に関する指示がないので、どのネジを外すべきか分かりにくい。カバーのみの分解は本体横の上記した2本のネジを外すのだが、間違えて本体裏にある4本のネジを外してしまうと本体裏蓋ごと外れてしまうのである。これには焦った。あまり頻繁に使う機能では無いだろうが、分解行為そのものもタフに行える改善が必要だと感じる。
新作MUDMANはソーラー発電で電池交換不要であり、電波時計なので狂うことも無い。正にメンテナンスフリーである。ラリー計測機能は難しすぎて良くわからないが、ソフト面の機能も満載である。モニター中に一度大転倒をし、岩に時計をぶつけたが、何ら問題が無い。マウンテンバイクを楽しむ人間の時計として、適した選択肢になるだろう。
良く言われることだが、G-SHOCKは道具として完成しているのだと思う。
日常生活で使用しても、軽くてフィット感が良いので装着していることを忘れる。値段もリーズナブルで外観も華美でないので辺境地を旅しても狙われにくいし、壊してもいいと気軽に使い込める。つけっ放しの使いっ放しである。
表現は悪いが、"その存在を忘れる"ことこそ、G-SHOCKの真骨頂だと思う。 その意味で、もう一点だけ、MUDMANに対し注文を付けるとすれば、本体がもう少し薄いと嬉しいところだ。……つづきを読む
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