インパクト
続いてはインパクトである。
インパクトの理想型は、「アドレス時の姿勢の再現」(堀尾氏)になる。ただし、「実際には体の回転が先行するため、肩と腰が少し開いている状態」(堀尾氏)になるという。
正面から見ると、手は若干前寄りになるが、クラブの位置はアドレス時とほぼ同じ位置になる。この際、「左腕とシャフトがほぼ一直線になっていることが大切」(堀尾氏)だ。
インパクトでは遠心力によりトゥーが下がるため、手の位置はアドレス時より若干高くなる。したがって、後方からの映像では、「アドレス時のシャフトのラインより多少(こぶし1つ分くらい)上を通過しても問題はない」(堀尾氏)。
インパクト後
5つ目は"インパクト後"になる。
インパクト後、5時~4時を指すくらいまでは軸を保つ必要がある。同じ前傾姿勢になっていることが大切だ。また、「この時点でひじがひけたり、両腕がねじれたり(右腕が左腕を追い越す)するのはNG」(堀尾氏)。正面からの映像で確認しよう。
飛球線後方からの映像では、「この時点までアドレス時のシャフトラインに、クラブが載っていることになる」(堀尾氏)。極端に外れる場合は、ひじや腕の動きを確認してほしい。
また、このときのフェースの角度は「体の前傾角度と同じくらいというのが理想」(堀尾氏)だ。スウィングスピードが速い人は、FS10Sの超スロー再生でも画面上で確認するのは難しいかもしれないが、こちらも注意して見るとよい。
フィニッシュ
最後にフィニッシュ。フィニッシュでは、前傾は少し残っているものの、アドレス時からは大きく体が起き上がることになる。
正面からの映像では、「おへそが左足の拇指球の上に来ている」(堀尾氏)ことを確認しよう。
また、後方からの映像では、背骨が少し斜めになっていて、クラブは両耳を通っているかたちになるのが理想だ。「スウィングがインサイドアウトの人はクラブが垂直に、アウトサイドインの人はクラブが水平に近くなり、両耳を外れるかたちでフィニッシュすることが多い」(堀尾氏)。このあたりもチェックしてほしい。
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以上が主なチェックポイントになる。大切なのは、必要な部分だけを必要なかたちで動かすこと。余分な動きが多いと、一生懸命スウィングしてもヘッドが走らず球が飛ばないということになる。そのあたりを動画で確認するとよいだろう。
もっとも、神経質になりすぎると、スムーズなスウィングができなくなり、ゴルフが楽しめなくなる可能性がある。したがって、全スウィングを動画でチェックするというのはあまりお勧めではない。「練習の最初と、真ん中と、最後に撮影してチェックするくらいがちょうどよい」(堀尾氏)とのことだ。
なお、堀尾氏が運営する「KEN HORIO GOLF ACADEMY」のWebサイトでは、e-スウィングチェックというサービスも提供している。こちらは、FS10Sなどで撮影したスウィング動画を送ると、それを分析して、優れている点や修正ポイントを音声で解説したうえ、問題克服のためのドリルまで紹介してくれる。
映像を1人で見ても問題がわからないというケースは多いので、こういったサービスも活用して、上達を図ってほしい。