ケータイユーザーに合わせた工夫
ケータイ版の立ち上げにあたっては、「タイムライン上のリンクを少なくすることを心がけた」(ライフ氏)という。ケータイのブラウザでは、上下でリンクをたどってスクロールしていく操作が基本となる。ソフトバンクや、ドコモの新ブラウザでは左右キーも利用可能だが、リンクを中心に移動するという考え方に大きな違いはない。そのため、サイト上がリンクだらけだと、スムーズにタイムラインをたどっていくことができなくなってしまう。ケータイ版のTwitterがシンプルな構成なのは、そのためだ。また、「『1』でタイムライン、『2』で返信、『3』でダイレクトメッセージを取れるようにした。普通のケータイサイトと同じだが、移動がボタンだけでできる」(佐々木氏)と、ケータイサイトでは常識の、テンキーによるショートカットも実装した。
とは言え、Twitterケータイ版の機能自体は非常にシンプル。Twitter社の方針もあり、サードパーティ製クライアントで実装されているような応用的な機能は、取り込まれていない。ユーザーの裾野が広がったこともあり、「『写真の投稿はどうすればいいのか』『新しいアカウントはどうやって作ればいいのか』という基本的な質問が届くことが増えてきた」(同氏)という。サードパーティ製のアプリケーションなどの紹介は、デジタルガレージの運営する「Twinavi」で行っている。「携帯百景などの外部サービスを紹介すると、ユーザーの方には非常に喜ばれる」(同氏)といい、手ごたえを感じているようだ。Twitter社としては「あくまでもサードパーティを応援しており、開発者の方にはよりクリエイティビティを発揮していただければと考えている」(同氏)という。
デジタルガレージ自身も、サードパーティとして「Twitvideo」という、Twitterと連携した画像・動画サイトを立ち上げている。佐々木氏によると、同サービスの強みは「Twitterのケータイ版と同様、Twitvideoでもメールでの投稿ができる。今先行しているのは、日本のケータイに対応しているところ」だという。「今後、モバイルユーザーが増えるのに合わせて、積極的に紹介していきたい」(同氏)といい、ケータイ版の普及と歩調を合わせて広がっていきそうだ。
佐々木氏によると、日本のケータイ版は「海外のTwitter社からの評判も高い」という。「特殊なケータイ事情の中、地域に合ったものを出せたということで、ワールドワイドなモデルケースになりえると評価されている」(同氏)というのが、その理由。「SMSがよく使われている地域もあれば、そうでないところもある。一方で、場所によっては、モバイルでのブラウジングもまだまだ普及していない」(同氏)と、ローカルなニーズに合わせたカスタマイズの第一歩と見られているようだ。