――肌の質感や滑らかさも目を引きますね。
今村「とても自然に写っているでしょう。特に、顔のテカリに注目していただきたいのですが、これをデジタル処理でトーンジャンプさせることなく自然に抑えています。私たちはこれを「デジタルファンデーション」と呼んでいて、1年がかりで完成させた内部処理技術です。開発時に目指したのは、"プロカメラマンがスタジオでモデル撮影をしたときの肌表現"。プレミアムオートでは、これが自動でできるのです」
――こうしてお話を伺うと、画質の種類が計算できない、という意味が良くわかります。
今村「これら数々の解析と処理が全部いっぺんに実行されることは、少なくとも当社の従来機種ではあり得ませんでした。ただ、通常のオートと比較してしまうと、やはり処理時間が多く必要ですね。処理時間の長さは状況によって違いますが、フラッシュと風景メイク、人物メイク、これらの複合型が処理としてはもっとも複雑ですね。
しかし、そのぶん、画質の完成度には自信があります。もうプレミアムオートさえあれば良くて、ほかのモードは要らないくらい(笑)。ただ、画質最優先のモードゆえ、処理時間の関係で秒間10コマの高速連写ができないなどの制限もあります。ここ一番! というところでプレミアムオートボタンを押して、使っていただければと思います」
――レンズも解放値F2.8、広角26mm(相当)からの5倍ズームと、かなり奢った仕様になっていますね。
今村「奢っているのは確かですが、解放値F2.8のレンズは今や普通だと思っています。というのも、明るい(解放F値の小さな)レンズでないと、プレミアムオートのような、撮影条件を細かく解析する機能は作れないからです。制限が多くなりすぎて、まともに動かなくなってしまうんですね。ノイズリダクションの性能に関しても同様で、レンズが暗いとノイズリダクションの性能がぐっと落ちる。だから、レンズにこだわらないわけにはいきません」…つづきを読む