西友はワインも"KY"
「KYでいこう! 」というキャッチコピーで、思わず「えっ!? 」と驚いた方も多いであろう西友。"KY"とは空気読めないではなく、「カカクヤスク」であることは今ではこれまた多くの方がご存知であろう。その"KY"さは留まるところを知らず、ワインも例外ではないのである。
現在、ウォルマート・ストアーズ社の完全子会社として日本で展開している大手スーパーの西友が低価格かつ高品質なワインを充実させて話題を集めているのだ。それが「ASDAエクストラスペシャル」シリーズ。15種類ほどを揃え、最もリーズナブルな商品が580円(750ml)、層が厚いのは780円ワインだ。
ASDA(アズダ)というのはやはりウォルマートの子会社で、イギリスにてスーパーマーケットを展開している大手である。そのASDAのハイクオリティなワインセレクトには定評があり、2007年には遂に、プライベートブランドを発売することとなった。
ワインの選定・開発には、ワイン資格の最高峰である「マスター・オブ・ワイン」の称号を持つフィリッパ・カール氏がたずさわっている。「マスター・オブ・ワイン」は聞いたことがない人も多いはず。実は資格保持者は全世界中でも300人足らずで、超難関。残念ながら、有資格者は日本人にはいない。
世界最大の小売業・ウォルマートの流通網により、各国が共同で商品を調達。また、ワインメーカーと直接取り引きすることで実現する低価格と、確かな舌を持ったASDAワイン部門の見事なセレクションとの連携で、このハイクオリティかつ低価格なワインが誕生したのである。西友では2008年12月より順次発売されている。今回はそのうち13種類をテイスティングした。
試飲するソムリエ
小山田貴子
フリーライター・日本ソムリエ協会認定ソムリエ・「日本ワインを愛する会」編集長
イタリア留学中(遊学? )にワインに開眼し、帰国後ソムリエの資格を取得。2003年よりCSフーディーズTV(食の専門チャンネル)番組スタッフになり、現職に。ワインが専門ながらビールにも食指が動き、ベルギー(ブリュッセル・アントワープ)、ドイツ(デュッセルドルフ)、イギリス(ロンドン・エジンバラ・ブライトン)、アメリカ(サンフランシスコ・ポートランド・デンバー・ボウルダー・ハワイ)などのビール処を飲み歩いている。