小林ゆうとロックとの出会い
――さて、「Crush Tears」はロックユニットということですが、ロックを選んだ理由のようなものはありますか?
小林「まず私がロックが好きだということが大前提なんですけど、周りの方々、私のライブパフォーマンスを観ていただいた方やスタッフ様からも、『小林ゆうにはロックが合っている』と言っていただいたりします。そういった意味でも、『Crush Tears』を始めるにあたり、自然な流れでロック以外の選択肢は最初から特になかったですね。皆様も暗黙の了解のように『ロックでしょう』という感じでした」
――アーティストとして新たに活動するなら、当然のようにロックの一択だったわけですね
小林「『Crush Tears』では枠にとらわれない活動をしていきたいと思っているので、次はどうなるかわからないのですが、まずはロックから始めるということについては、スタッフの皆様も迷いなく、共通認識となっていた感じでした」
――ちなみに小林さんとロックとの出会い、ロックというものを意識したのはいつ頃ですか?
小林「一番最初はですね……。私、物心がついたのが中学生ぐらいだったんですけど……」
――それは音楽的にですか?
小林「いえ、自分的にです」
――自分というものを意識したのが中学生ぐらいということですか?
小林「記憶ということなんですけど、それ以前のことは何となくは覚えている程度で……。あまり記憶がなくて、両親や周りの方に話を聞いたり、写真を見たりして、なんとなく思い出したりはするんですけども(笑)。私が覚えている中で、初めて買ったCDはビートルズさんでした。そして、クイーンさんも好きでしたし、レッドホットチリペッパーズさんも好きでした。ただ、私の場合、このアーティストさんが好きというよりも、バンドサウンドそのものに惹かれる子どもだったみたいなんですよ」
――その中でも洋楽が中心ですか?
小林「そうでもなかったと思います。洋楽も聴いていましたし、ブルーハーツさんなども聴かせていただいていました」
――子どものころ好きだった曲はロック中心ということですね
小林「ロックというよりはバンドサウンドですね。とにかくバンドというものが好きでした。もう観ているだけで、血が騒いで、心が躍るものがバンドサウンドにはあったんですよ。そしてその中でも、小さい頃からボーカルになりたかったですね」
――やはりボーカルですか?
小林「ボーカルですね」
――ギターを弾いてみたいとは思わなかったですか?
小林「申し訳ございません」
――横でRYOさんが苦笑いをしていますが……
小林「これを言うとちょっと失礼なんですけど、その頃の私にはボーカル以外はまったく見えていなかったみたいなんです。もちろん今はちゃんと皆様が見えていますし、皆様で一つのバンドになるんだっていうこともわかっていますが、子どもの頃って、何も考えずに、ただ好きっていうのがあるじゃないですか。ただ心が惹かれるというものが。なので、小さい頃は音楽を聴いていても歌しか耳に入ってこなかったんですよ。そういう子どもだったみたいです(笑)」
――自分で歌うのも好きでしたか?
小林「歌うのも好きな子だったんです。小さい頃、お婆ちゃんからテープレコーダーをいただきまして、それに歌を録って練習していました。歌っているとき以外は、壁に絵を描いたりしている子どもだったみたいです」
――そのあたりも記憶にはないんですね
小林「親から聞いた話なんですけどね(笑)」
――絵も好きだったんですか?
小林「記憶のない頃には描いていたみたいですね。でも大きくなってからは描かなくなって、このお仕事をさせていただくようになってからまた描くようになりました。最初に描いたときに皆さんがビックリしてイスから倒れられたときのことが今でも忘れられないですね(笑)。でも、それが大人になってから初めて絵を描いた瞬間でした」