ジェンダーを越え、コモンセンスを打ち破る
――「Crush Tears」というユニット名の由来を教えていただけますか?
小林「『Crush Tears』には"トキメキ涙"という意味があるのですが、"Crush"の"u"が"a"になると、"壊す"などの意味にもなると思うんですけど、そのあたりの意味も重ね合わせています。『Crush Tears』には、『コモンセンスを打ち破る』というキャッチフレーズがついていまして、常識やいろいろな枠を壊していく、そういった意味にも繋がっています。『Crush Tears』には、壊していく破壊的な激しさと、切なく繊細な部分、その両方の意味合いを同時に含めている感じですね」
――「コモンセンスを打ち破る」のほかに、「ジェンダーを越え」というキャッチフレーズつけられていますね
小林「『Crush Tears』のコンセプトとして、『生バンドで』というお話を先ほどさせていただきましたが、この『ジェンダーを越え』というのも、大切なコンセプトのひとつなんですよ。これはものすごく大事にしているコンセプトで、私が"小林ゆう"ではなく、"YU"として歌う最大の意味がココにあると思っています。"YU"は"小林ゆう"の対極に位置するものなんですよ」
――"小林ゆう"と"YU"とは違う存在ということですね
小林「そうでなんです。ここが自分でも一番期待している面白さであり、楽しんでいきたい部分だと思っています。たとえばキービジュアルなどを見てくださった方から、『ゆうちゃんだってわからなかったよ』って言っていただくことが多いんですよ。まずそういったビジュアルのイメージから、今までの私とはまったく違っているんですね。髪も切りましたし、足をこんな風に広げて男性らしく写真にうつるなんてことも、今までは絶対になかったことですね。衣装ももちろん、これまでにお見せすることのなかったイメージになっています」
――CDのジャケットもカッコいい感じに仕上がっていますね
小林「ありがとうございます。そういっていただけるとうれしいですね(笑)」
――やはりジャケットの写真も「コモンセンスを打ち破る」という方向性ですよね?
小林「世間的な"コモンセンス"を打ち破りたいという気持ちがあるので、今回のビジュアルはこういったカタチになっていますが、2ndになると、どのようになるかはまだわからないです」
――もしかしたらフリフリの衣装になっているとか?
小林「それぐらいの期待を持っていただいても嬉しいです(笑)」
――ちなみにRYOさんは、ジャケットに対してどのような印象をお持ちですか?
RYO「僕の中では新境地ですね。こういう服装をするのが初めてだったので。実はスカートをはいたりしているんですよ(笑)」
――小林さんだけではなく、RYOさんもジェンダーを越えているんですね
RYO「実はそうなんですよ。本当に初めての経験だったので、撮影は楽しかったですね」
――まず「Crush Tears」は、ビジュアル面から「ジェンダーを越え」ているわけですね
小林「ビジュアル面だけでなく、歌声に関してもジェンダーを越えて、男性的なんです。今まで歌わせていただいた歌は、いわゆる女性のキーで歌っていたわけですよ。私一人で歌っている曲はもちろん、たとえば"フレンズ"というユニットの場合でも、かなり高め、女性らしいキーでみんなと一緒に歌っているのですが、そういった女性のキーと比べると、『Crush Tears』のキーはかなり低いんですよ。カラオケで言うと男性の方の原曲キーにあたるぐらいまで下がっています」
――ギリギリまで下げているという感じですか?
小林「私の声域で言うと、もう少し低くても問題ないのですが、私の一番魅力的な声が出るところをサウンドプロデューサーさんたちが探してくださった結果として、今のキーに落ち着いた感じですね。最近はアニメでも、男性の役を演じさせていただくことが多いんですよ。現在放送されている『おおかみかくし』もそうですし、「まりあ†ほりっく」の「祇堂鞠也」さんなどのあたりの声がちょうどあてはまる感じですね」
RYO「ゆうさんの一番いい響きのする声でお伝えすることも『Crush Tears』だと思うんですよ。それが低い声だったという感じですね」