盛りだくさんの新機能の最後は、フルHD動画の撮影機能だ。最近はデジカメでの動画撮影が必須になっていて、HD動画が主流。これは1280×720ドットという解像度で、これに対してDSC-HX5Vでは、いよいよ1920×1080ドットのフルHD動画が撮影できるようになった。

動画撮影でフルHDを選択できるようになった。AVCHDなので記録容量も抑えられ、最高画質では8GBのカードで1時間弱ぐらい記録できる。ただし、1ファイルの撮影時間は29分(2GB)まで

便利な動画ボタン。モードダイヤルを動画にあわせて設定しておいた状態で撮影が行われる

テレビや液晶モニタでもフルHD対応が増えてきていて、そこに表示するのにもぴったりなサイズなので、より高画質の映像が視聴できる。AVCHDというデジタルビデオカメラで主流の方式で、これだとテレビやHDDレコーダー、Blu-rayなんかとも相性がいい。これまではちょっとPCでは扱いにくいフォーマットだったけど、BDが一般的になるにつれ、編集ソフトは増えているし、Windows 7でも標準で再生できるので、これからは別に問題ならないはず。

動画を撮影する場合、モードダイヤルで設定するほかに、背面の動画ボタンを押してもいい。どのモードでもすぐに動画撮影ができて本当に楽。むしろ、どうして動画ボタンを設置しないのかと思ってしまう。

光学10倍ズームも使えるし、音声もステレオ。しかもハンディカムにも使われている「光学式手ブレ補正/アクティブモード」を採用していて、広角端だけだけど、かなりブレのない映像が撮れる。歩くぐらいの揺れだったらばっちり補正してくれるので、もはやオマケの機能ではなく、ちょっとした作品が作れちゃうぐらい。

ステレオマイクも搭載していて、音もなかなか悪くない。あとはマイクの指向性とかライトとかあればいいなとは思うが、このままでも十分使える

こうしてみてみると、本当にスキのないカメラがこのDSC-HX5Vだと思う。レンズは25mmからと広角だし、望遠も250mmまでズームできる。夜景にも強いし、連写も得意。動画だってビデオカメラ並みで、オマケにスマートなTransferJetや後で楽しいGPSも内蔵。メモリースティックDuoに加えて、とうとうSDHCカードにも対応したし、弱点らしい弱点といえば、最近のカメラにしてはちょっと遅め、実測で2秒ぐらいかかる起動時間ぐらいだろうか。

それをふまえても、これだけの機能を考えれば、みんなにオススメしたいカメラなのだ。

ISO感度別の作例を見てみると、ISO800ぐらいが意外に健闘していて、従来のコンパクトデジカメよりはいい印象。
上段左からISO125 / 200 / 400。下段ISO800 / 1600 / 3200

人物ブレ軽減で撮ってみると、同じシーンで同じシャッタースピードだけどより明るく写るという傾向があった

逆光補正HDRを使ってみた。歴然として差が出た。一部、不自然な部分もあるが、空と地上の明るさがきちんと出ていて楽しい

手持ち夜景を2枚。クリアな画質で好感が持てるし、1/8秒とかテレ端で1/25秒でも6枚連写がブレずに合成されているのは見事

普通に撮ると背景が白トビしそうなシーン(左)でも、逆光補正HDRを使うと背景の青空が戻ってくる(右)

スイングパノラマを使うとこんなに広い範囲をすぐに撮影できる横方向、縦方向の両方に対応