iPadからは隅々まで作り込まれた完成度の高さが伝わってくるが、それでもタブレットの大きな課題を克服しきれていない。画面が大きいiPadではソフトウェアQWERTYキーボードを使って楽に入力できる。横向きにすれば、パソコンの一般的なキーボードとほぼ同じサイズになり、これなら長文も打てそうだ。だが、両手でソフトウェアキーボードを使うとiPadの座りが悪いのだ。机の上に置くと角度がなくて画面が見にくく、組んだ足の上では窮屈だ。同様にビデオを見るときも困る。長時間手に持っているのは苦痛だし、適度な角度で置ける場所はなかなか見つからない。アクセサリの「iPad Case」を使えば、3つのスタイルを切り替えられるが、Appleのアクセサリでも本体のデザインやスリムさが損なわれるのが残念なところ。タッチ操作で扱っているときのマジカルな利用体験が、据え置こうとしたときに幾分か冷めてしまう。