KONAMIよりリリースされたプレイステーション・ポータブル向けミステリーアドベンチャーノベルを原作とする、TVアニメ『おおかみかくし』が2010年1月よりTBS・BS-TBSほかにて放送開始となる。
原作となるPSP『おおかみかくし』は、原案・監督を竜騎士07氏、キャラクターデザインをPEACH-PIT、さらに音楽を伊藤賢治氏が務めたことでも話題の作品。アニメ化にあたっても、『07-GHOST』などを手がけた高本宣弘氏が監督を務めるほか、シリーズ構成・脚本を『らき☆すた』の待田堂子氏、キャラクターデザイン・総作画監督を『戦場のヴァルキュリア』の渡辺敦子氏、アニメーション制作をAICが担当するなど、非常に期待度の高い作品となっている。
そこで今回は、2010年1月の放送に先駆けて、高本宣弘監督を中心に、シリーズ構成・脚本の待田堂子氏、キャラクターデザイン・総作画監督の渡辺敦子氏にも加わっていただき、「嫦娥町」を舞台に繰り広げられる本作の魅力についてをじっくりと語ってもらった。
メインスタッフ陣が語るTVアニメ『おおかみかくし』
――最初に『おおかみかくし』の話を聞いたのはいつごろですか?
高本宣弘監督「たぶん、タイミング自体は待田さんが一番早かったんじゃないですか?」
渡辺敦子氏「『GA 芸術家アートデザインクラス』のアフレコのときに一緒に聞いたような気がしますね」
待田堂子氏「いや、私はもうちょっと後ですよ」
渡辺氏「じゃあ、私が一番最初ですね。そのときにプロデューサーさんから、1月新番でゲーム原作のアニメをやるのでどうですかっていう話を聞いたのが最初なので、5月ぐらいですね」
高本監督「それで次にライターの待田さんが聞いて、最後が僕ですね。順番的には」
――最初に話をきいたときの感想はいかがでしたか?
高本監督「最初に話を振られるときは、そんなに事細かな情報は伝わってこないんですよ。『決まったら教えるから』ぐらいの感じなんですね。でも、最近はネットが便利じゃないですか(笑)。なので、タイトルを聞いて、ちょっと検索して、『あ、これか』みたいな感じでしたね」
渡辺氏「私も最初ホームページでイラストを見せてもらったのですが、そのとき感じたビジュアルのイメージは"赤と黒"しかなくて、『恐いのが来たなぁ』って思いました(笑)。原作はPEACH-PITさんの絵だったのでとてもかわいらしかったのですが、やっぱり"赤と黒"の印象が強かったです」
――ちょっと手強そうな印象という感じですか?
渡辺氏「絵柄がかわいかったので、非常に好奇心をそそられて、やりがいがあるなって思いました。でもやはり雰囲気がちょっとオドロオドロしい感じだったので、面白そうだとは思いつつも、正直なところ、恐そうだなっていう印象が先でした」
待田氏「私はやはり書くほうなので、PEACH-PITさんの絵ももちろん印象的だったのですが、竜騎士07さんの作品ということに興味を惹かれました。ちょうど、ホラーものをやってみたいなぁって思っていたときだったので、『きたきた!!』って感じで(笑)。さっそく、発売前のゲームソフトをプレイさせていただきました。最初の印象は、基本的にはホラーなんですけど、ある意味では学園ものでもあり……。とにかく絵がかわいいし、コメディっぽいエピソードもありまして……」
高本監督「竜騎士07先生の作品はすごく個性が強いんですよ。そして、どういう風に展開していくのかがわからない。それが、アニメ業界における定番の意見になっていまして、これまでにもいろいろな人がチャレンジしていますが、それが自分に回ってくるチャンスが来たので、どういう風に料理して、竜騎士07先生の世界を際立たせる映像を作っていけばいいか。それを考えるだけでも楽しみでしたね。チャレンジングなものが来たなっていう感じでした」