――今回の収録曲の中で、転機となった曲や印象的な曲はありますか?
「『はぴねす!』や『プリズム・アーク』は、アニメで主人公、ヒロインといった立ち位置だったこともあり、ラジオをはじめ、いろいろなプロモーションがあったので、すごく思い入れが強いといいますか、本当によく聴きましたし、本当によく歌いました。そういった点で印象的なのがこの2作品なのですが、転機という意味では『恋の炎』ですね。ファンの方々の盛り上がりが本当にすごくて、いつも曲の感想をメールでいただいたりするのですが、『恋の炎』のときは、『この曲を聴いて、勇気を出そうと思いました』とか、『この曲をカラオケで歌ってから、彼に告白しました』とか、そういった女の子からのリアルな体験や経験といったものが一緒に伝わってきたんですよ。聴いてくださった皆さん、中でも特に女の子が、行動に移すきっかけとなった曲というところで、とてもいい思い出になっている曲です。あと、PVでの絡みもありましたし(笑)」
――絡んでましたねー
「あれはかなり衝撃的だったみたいですね(笑)。あれをやりたくてPVを撮ったんですが、わりといい感じに受け止めていただけて良かったです。実は、これまでからいろいろとかわいいことをやらせていただいていたのですが、『恋の炎』ぐらいかわいいことってやったことがなかったんですよ。どちらかというと"エロカッコいい"ほうが得意なので、やっぱちょっと恥ずかしさがありました」
――ああいったブリッコ的なかわいさはやはり恥ずかしいですか?
「恥ずかしいですね。だからメイキングとPVとの差がすごいんですよ(笑)。PVではすごく"お仕事"をしているのですが、メイキングでは、"素"になった瞬間にもうめちゃくちゃみたいな感じで、おっさんみたいな発言をしたり行動をしたりしていて……。そこはファンの方もわかって、観てくれているんですよ。みんなのフィルタってすごいな、優しいなと思いつつも、『うそでごめんね』って思いながら、一所懸命に作っています」
――最近5pb.では、甘々な感じの曲が増えているような感じですが……
「『恋の炎』で甘ラブな榊原をファンの方にお見せしたところ、思った以上に反応がよかったので、その後は自然な流れといった感じですね。5pb.さんでは、かわいくてポップでキュートか、清楚な感じといった、榊原ゆいの中でも女の子の部分を押し出した楽曲に恵まれていることもあって、ファンの方の中でもそういった認識があるようですし、私も同じような認識でいます」
――そのほかで印象に残っている曲はありますか?
「やはり『恋の炎』に続く、『永遠の恋』ですね。この頃、ウェディングドレスを着て、『結婚します』っていういつわりのブログを書いて大惨事になったことが……。自分で蒔いた種なんですけどね(笑)。いつ謝ろう、いつ謝ろうと思いつつも、結婚指輪を買いに行ってますとか……。自分で指輪や衣装を買いに行くのはどうかと思うんですけど(笑)。相手の方はモデルの方で、もちろん『恋の炎』のときと同じ方なんですけど、その方にちゃんと指輪のサイズも聞いて、お店まで買いに行って……。そういったちょっと舞い上がったおバカなブログを書いたがゆえに、『ゆいにゃん結婚!』って盛り上がっちゃって(笑)。実は私エイプリルフールでも"結婚します"って書いたことがあるので、今後私が本当に結婚することになっても、もう誰も信じてくれないと思います」
――こういった続きものの歌をこれまでに歌ったことはありますか?
「作品自体が続いているものの主題歌とか、そういった曲はありますが、曲自体がストーリー的にちゃんとつながっていて、ちゃんと歌の中で展開があるというものは、これが初めてだと思います。なので、PVも、『恋の炎』のときと同じモデルさんじゃないと意味がない、みたいな話になりまして。『恋の炎』であれだけラブラブだったのに、『永遠の恋』で違う人だったら、すごい残念な子みたいになってしまうじゃないですか(笑)。なので、スケジュールをあわせて、同じ人で撮らせてくださいって話をしたりしましたね」